伝説のYCプラナー1.4/50T*を散歩カメラにしてみました。

伝説のYCプラナー1.4/50T*を散歩カメラにしてみました。

ヤシカコンタックス(YC)が初めて出した一眼レフ:RTSと同時に発売されたプラナー50mm F1.4T*。当時これを買った先輩がいまして、今はもう本体RTSが無いということで借りてきました。他にプラナー85mm F1.4、テッサー45mm F2.8があります。

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T*とはティースターコーティングのことです。まだ反射防止のためのマルチコーティングが珍しい時代だったんですね。キヤノンはS.S.C.(スーパースペクトラコーティング)を出していて、レンズにも誇らしげに赤い文字でS.S.C.と刻印してあったものです。今のEFレンズも刻印こそありませんが、カタログにはスーパースペクトラコーティングと書いてあります。

カールツァイス/プラナーと言えば、あこがれのハッセルブラッドに付いていた標準レンズ80mm F2.8です。ローライもカールツァイスですが、ハッセルの印象の方が強かったですね。それが35mm判で使えるというので当時は大騒ぎです。コンタックスカメラ自体はヤシカが経営破綻して京セラに買収され、京セラの光学事業撤退に伴ってJNCデイタム・テック・インターナショナル(香港)にヤシカの商標権が売られてしまい、今はもう無いはずです。

私が初めて使ったカメラもヤシカのエレクトロ35EE(または同シリーズの別バージョン・詳細不明)でした。その後、キヤノンとフォーカスリングの回転方向が同じとか先輩が使っているとかいろいろな思い入れがあり、今もツァイスは大好きです。

ヤシコン・ツァイスレンズのバックフォーカスはキヤノンEFレンズより長いため、マウントアダプターを介してEOSに取り付けることができます。

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とは言えその差は2mmも無いため、極薄のアダプターです。アダプターを付けるとレンズ側にかなりガタつきがあります。これはDiscoverPhotoの電子接点無しタイプです。EOS 5D MkIIでは電子接点付きが使えないため、こちらにしました。税込4,080円。

プラナーを取り付けたKiss X7はこちら。

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あまりにも違和感がなくて、どうしましょ(^_^;

プラナー50mm F1.4T*はたいへん小さいレンズですがズッシリと重いため、相当にフロントヘビーになります。EF-S24mm F2.8 STMを取り付けた時のように、片手スナップは不可能です。そもそもマニュアルフォーカスなのでそんなことはできませんが。

まずは紅葉、F2.0。

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F1.4はISO200でもシャッタースピードがたりませんでした。X7のせいで少々前ピンです。明るい冬の陽射しが表現されていると思います。後ボケはけっこううるさい感じです。

F4.0。

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X7の絞り込みAEは、かなりバラつきが出るようです。5D MkIIでもそうでした。

古いレンズとは思えない色乗りの良さ。自然な色合いですがコントラストが高く、独特な空気感があります。

F8.0。

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ここまで絞ると、まあどんなカメラで撮っても同じかなー?という感じです。

F1.4開放の作例を準備できませんでしたが、F1.4ではコントラストが極端に低下します。印刷物など、ピントばっちり・ブレ無しでも文字がにじみます。人の顔なら、睫毛が溶けます。

このレンズの美味しいところはF2.0〜F4.0の間で、撮影距離によって変わってくると思います。

それにしてもマニュアルフォーカスは楽しい!Kiss X7の「素通し」と言われる明るいファインダーでも、F4.0までならピント合わせは苦労しません。

F5.6以上の場合は、一度開放でピント合わせしてから絞り込みます。このレンズの絞り環はクリックが一段ごとなので、レンズを見なくとも手の感覚だけで絞り値を狙い通りに設定できます。AE全盛の現代、細かい露出調整は絞り優先ならシャッタースピードが、シャッタースピード優先なら絞りがやってくれるので、人間が設定する方はもうちょっと大雑把な方が使いやすいと思います。F2.8にするかF4.0にするか迷うことはあっても、F3.2かF3.5かF4.0かと迷うことはありませんから。1/3段設定なんて、ダイヤルを回す手間が増えるだけです。コンピュータ制御なんだから、段数変更できて欲しいですね。EOSのKiss以外は、1/3か1/2段は選べますが、1段ごとは選べません。他社はどうなんだろ?

余談:フジフイルムのX-T1は素晴らしいと思うのですが、フジのEVFが感覚的に馴染めなかったのと、絞りの設定値が1/3段なのがウザくて手を出しませんでした。しかもレンズの絞り環による設定なので、物理的なものですから変更不可能です。マニュアル露出だった時は、露出を追い込むために1/3段は重宝したんですけれどね。

道路標識もマニュアルフォーカスできれいに写ります。

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裏の畑の白菜が元気に出荷を待っています。

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ミニバラの蕾です。意外なほど質感がよく表現されました。

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でもね。

この手のレンズ遊びは、やはりミラーレスの独壇場ですね。それもα7!Kiss X7に取り付けたプラナー50mmは35mm判換算80mm相当の中望遠レンズですが、α7なら本来の画角で使えます。ピント合わせもEVFの領域拡大機能で楽々です。

マニュアルフォーカスの手間、絞り設定の手間を考えると、どう頑張っても振り回して撮れるレンズではありませんから。

それでも往年の銘レンズをぶら下げてお散歩カメラにするのは楽しいですよ。

この記事は2014/12/14に公開され、37 views読まれました。

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