スライド・ネガフイルムのデジタル化に着手しました。ニコンSlide Copying Adapter ES-1レビュー。

スライド・ネガフイルムのデジタル化に着手しました。ニコンSlide Copying Adapter ES-1レビュー。

構想10数年!ついに入手しました!

いやいや、単に怠けて長引いていたところに楽天ポイントがたまったので「エイヤッ」と買ってしまいました。ニコンスライドコピーングアダプターES-1です。

_MG_3544

左から

  • ニコンスライドコピーングアダプターES-1
  • 49-52mmステップアップリング
  • オートタクマー50mm F1.4
  • M42中間リング
  • M42→αEマウントアダプター

です。

本体はこれだけ。

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乳白色の散乱板の裏にフイルムをバネで固定して、それを撮影します。バネはかなり余裕があるため、厚いマウントに挟まれたスライドも楽に固定できます。

スライドデュープとは?

うわー、聞かないですね、この言葉。

昔の印刷では、写真はリバーサルフイルムで撮るものと決まっていました。「プリント?そんなんきれいに印刷できるかー!」ってなもんで。

その写真をレタッチ(現在デジタルでやっていることをインクを使って手作業で)する場合、元の写真をいじってしまうと失敗できませんよね?そこで「デュープ」の出番です。要は「複写」です。スライドの複写を、特に「デュープ」と呼んでいました。

デュープの作り方にはいろいろあって、作業しやすいように「拡大デュープ」したり、特殊な装置で「密着デュープ」したり、今回のお題である「等倍撮影」したり、です。

今はデータそのものを複製できるので、デュープという言葉自体が死語ですねえ(T_T

このデュープ用装置が、フイルムのデジタル化に使えるというわけです。デジタルカメラで撮れば、デュープでなくそのままデジタル化ですからね。

なるべくきれいに・高解像度で・手間なく・安く

フイルムのデジタル化にはいくつかの選択肢があります。

  • フジフイルム等のサービスに頼む。もちろん料金がかかります。数が多いとけっこうな金額になります。
  • フイルムスキャナを使う。画質が心配です。高価な機械はともかく、安価な物は解像度もラチュードもレンズも、みんな心配です。
  • フラットベッドスキャナのうち、フイルムスキャンに対応している機種を使う。フイルムセットの手間、ファイル名を付ける等の手間がめちゃ面倒です。
  • デジカメで撮る。画質については心配ありません。ファイル名も自動です。ただし、機器が極端に限られます。

その「極端に限られる機器」で一番手に入りやすいのが、ニコンES-1だと思われます。

  • フイルムを平滑に固定する。
  • フイルムとセンサー面の平行と中心軸を揃える。
  • 外光の侵入を遮断する。
  • フイルムを裏面から均等に照明する。

上記の「デュープに必要な機能」をシンプルな構造で実現しています。

  • もともとはニコンのマイクロレンズ(たぶん55mm)用に作られたものなので、50mm前後のレンズであれば使えます。
  • マイクロ/マクロレンズを持っていなくても、M42マウント等の機械式レンズならば近接撮影用の「中間リング」は安価に入手できます。私はアマゾンで999円の物を購入しました。
  • レンズはいただきもののオートタクマー50mm F1.4です。F8程度に絞って使います。フィルター径が49mmなので、ES-1に合わせるため49-52mmのステップアップリングを装着しました。

デュープの基本は等倍ですが、あまりシビアにやると疲れます。解像度も十分なので「画像面がすべて入るなるべくギリギリ」にセッティングを調整しました。

  • 中間リングは28mmと14mmを連結して使いました。
  • フォーカスリングは最短撮影距離で固定しました。
  • ピントはES-1の筒を前後して調整しました。フイルムの傾きもこれで調整します。
  • 撮影時はタクマーの絞りをF8に固定。絞りスイッチをAUTOにし開放にしてピント調整、絞りスイッチをMANUALにして絞り込んで撮影です。

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試しに撮ってみたのはこちらのリバーサル。確かコダクロームだったと思います。

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コニカのリバーサルフィルム商品名は忘れましたが、フジはフジクロームという名前でした。あと、コダックのエクタクローム。これらはすべて「内式現像」と呼ばれるタイプでした。「色」を最初からフイルム内に持っていると。

対してコダクロームは「外式現像」タイプ。発色が鮮やかで精細感が高い、と。ISO25と64の2種類がありました。現像したフイルムの裏(薬剤面)を斜めに光に当てて見ると、画像のカタチに微妙にフイルム面が盛り上がっているのが特徴です。まるで油絵のようです。

仕上がりはこちら。

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_DSC3939

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38年前の写真なので、誰も文句を言わないように(^_^;

画像の周りが黒くて丸いのは、マウントのせいです。

なかなか満足のいく仕上がりです!現代の等倍マクロレンズを使ったらもっと良く仕上がるか?!というと、そこまで費用をかけると本末転倒なので(^_^;

優先順位の高い写真からどんどん取り込もうと思います。もちろん、ネガにも対応しています。「スリーブホルダー」という、6コマごとに切られたフイルムを保持するアダプターが必要ですが、これはかんたんに入手できます。ちょいと中野フジヤカメラでも覗いてこようかしらん?

この記事は2016/05/08に公開され、73 views読まれました。

     カメラ   ,

これまでのコメント

  • mabo より:

    こんにちは。maboと言います。
    スライドや古いネガをなんとかしようとES-1を購入したのですが、カメラ関係の知識がほとんどないため、上手くいっていません。
    検索でたどりついたので少し質問させていただいていいでしょうか。
    ES-1と 本体EoskissX7
    レンズはダブルズームキットに入っていたEF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM
    で、取り込み作業を行うにはステップダウンリング55→52があれば可能でしょうか。
    突然申し訳ありません。

    • ぽち より:

      おお、こちらにもチャレンジャーが(^_^ /

      まず、それだけではピントが合いません。ES-1は最長で70mmです。
      EF-S18-55mmは長さ75.2mm、EOSのフランジバックは44mmです。合計219.2mm。たしか近距離撮影してもEF-S18-55mmの全長はほぼ変わらないので、最短撮影距離250mmでは合焦しませんね。

      ES-1はもともとニコンのマイクロニッコール55mm用に提供されたもののようです。キヤノンのAPS-Cであれば35mm前後が同等の画角になります。18-55mmの範囲内なので使えますね。

      目標は、
      ・ES-1の長さ約40〜70mm(撮影距離ではなくワーキングディスタンス/レンズ先端からの距離)でピントが合うこと。
      ・その時に等倍(APS-CのX7ですから0.625倍)になること。
      ・合焦距離と撮影サイズはだいたいの目安をつけて試行錯誤するしかありません。

      http://cweb.canon.jp/ef/accessary/detail/9199a001.html
      を見ると、EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STMにエクステンションチューブEF25IIを取り付けると1.00〜0.51倍で撮影できるとあります。ただし、撮影距離は記載されていません。もしかするとES-1より長かったり短かったりするかもしれません。
      そもそも実売12000円前後と高価です。

      実は私も到着待ちなのですが、こんな商品があります。

      2620円でエクステンションチューブよりも長さ調整が可能!

      取り寄せにちょっと時間がかかりますが、試しにこちらを使われてはいかがでしょう?

      他には「クローズアップレンズを使う」という手もあります。しかしこの方法ではレンズを1つ追加するため、かなり画質が落ちます。

      ちょっと機材が足りないけれど「できない組み合わせではない!」ということです。
      頑張ってくださいね(^_^

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