これだけは注意したい写真撮影テクニック初歩の初歩7つのポイント。
2017年03月05日
格好良く見える構図とか、ストロボの上手な使い方とか、「写真の芸術性とはなんぞや?」とか、そういう高尚なものではなく「ブレない写真を撮る」「せっかくの一眼(レフ)だから、ボかして撮りたい」の基礎の基礎・初歩の初歩を書いていきます。
意外とコレが一番大事なんだ。
ピントが合っていてブレていなくて「何を撮っているかハッキリするように」主題がひきたつことが、きれいな写真の最低条件です。「良い写真」はその先にあります。
EOS-1Dで撮影しようとiPhoneで撮ろうと、基本のところは変わらないものですよ。
ターゲットはEOS Kiss X7の標準ズームキットを使っている人、EOS M10+EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STMを使っている人、「もっとボケるレンズが欲しいなあ」と思っている人、そんな人たちです。
シャッターはゆっくり押す
集合写真を頼まれてカメラを渡され「はい、チーズ!」なんて時。
タイミング良く元気よく、ついでにシャッターも元気よく「ポンッ」と跳ねるように押す(というか叩く)ことありませんか?
初心者(またはそれ以前)の人に一番多いのが、このミスです。
レンズの下を左手で支えていますが、説明の都合で省いています。
シャッターボタンを叩くということは、ちょうどレンズを中心にカメラが回転するような力を加えているのと同じです。
そもそもオートフォーカスのカメラは
- シャッターボタン半押しで測光・測距開始。
- 全押しで絞り込み・ミラー動作・シャッター走行。
- 露光。
という手順を踏んでいます。いくら高速・高性能になったとはいえ、なんの余裕も与えられずに測光→測距→露光!(早口のつもりで読んでください)と来たらカメラもたまったものではありません。測光はたいへん高速なので間に合いますが、これではブレてボケて当たり前です。
シャッターボタンは1秒間押し続けるつもりで、ゆっくりと押しましょう。
「シャッターボタンを押す」と書いていますが、ふつうは「シャッターを切る」と言います。
肘をついて撮る
一眼(レフ)を構える基本は「三点支持」です。
両脇を締め・ファインダーを覗いて顔(おでこ)を当てます。力まずにしっかりとカメラを支えましょう。
しかし暗い所や望遠レンズを使う時はこれでは不足。目的がはっっきりしていれば三脚を持ち歩くこともあるかもしれませんが、それもなかなか無理な注文です。
- テーブルでの上に肘をつく。
- 壁に寄りかかる。
- 何も無ければしゃがんで、自分の膝に肘を乗せる。
安定感がグッと違います。
高さを変えてみる
カメラマンが高くなったり低くなったり、被写体を高くしたり低くしたり。
私は下からが好きです。他の人はあまり撮らないからかな?ライブ撮影などは、ほとんどステージ真下から撮っています。
オートフォーカスを中央一点にしてみる・カメラを振ってみる
コマーシャルではいかにも「子どもの動きを追いかけますよ〜」にやっていますがw、実際にはなかなか思ったところに合焦してくれないものです。明暗がきついところ、暗い所、動きが速すぎる物等々。
AFポイント選択を「中央一点」にしてみましょう。
AEも合焦点に引っ張られて、逆光でもかなり適正な露出になります。
さらにシャッターボタンを半押ししたまま、カメラを振ってみます。
シャッターボタンを半押しすると、AEとAFがロックされます(設定が必要な場合もあります)。
中央でなくても、AFを一点にするとフォーカス速度も上がるようです。
シャッターボタンの半押しを覚えてくださいね。
[A]モードからAvモードにしてみる
インテリジェントオート・フルオートなどと呼ばれる[A]マーク(多くの場合、緑色)では、合焦点をカメラが判断します。
- 画像を解析して顔を認識、なるべく顔にピントを合わせる(最新型の一眼レフ、ミラーレス、コントラスト検出式のコンデジ)。
- 瞳にピントを合わせる(最新のミラーレス等)。
- AFポイントの内、手前の物にピントを合わせる(一眼レフのほとんど)。
またISO感度、AEの設定もすべてカメラが判断します。
写真の適正露出には以下の要素があります。
- センサーに当たる光の量を制御する「絞り」。
- センサーに光が当たる時間を制御する「シャッタースピード」。
- センサーが光を感じる感度、ISO。
絞りとシャッタースピードは反比例します。光の量が半分になればシャッタースピードは倍の長さに。光の量が倍になればシャッタースピードは倍の速さになります。
シャッタースピードが遅いと手振れしたり、被写体が動いてしまったりします。格別な意図と技術が無ければ、シャッタースピードは速い方が良いですね。
では「光が当たる量が多いほどいいじゃないか!?」と思いますが、絞りには「被写界深度をコントロールする」という大切な役割があります。光の量を少なくする=見かけ上のレンズ口径を小さくする→ピントが合う奥行きを長くするという効果です。
逆に光の量を多くすると、見かけ上のレンズ口径が大きくなり、ピントの合う範囲が狭くなります。ピントが合わないということは、ボケが大きくなるということです。
絞りを開けているので、背景がボケボケです。
これは顔にモザイクをかけたわけではなく、胸元にピントを合わせているので顔がボケボケになっています。ちょっと極端な例ですね。
このように設定するにはモードダイヤルの[A]をAvにしなければなりません。カメラによっては表記が違うかもしれませんので、確認してくださいね。
次に「F値」を小さくします。
- F値小さい→絞りを開いて光をたくさん取り込む。
- F値大きい→絞りをすぼめて光の量を少なくする。
レンズによって違いますが、最近のキットレンズに多い18-55mm F3.5-5.6ぐらいのレンズなら「F3.5」にします。ズームすると勝手にF5.6になったりしますが、気にしないでください。Avモードにしてメインダイヤルをクルクル回せば変化します。
同じカットを絞り(F値)を変えて撮るだけでこんなに違います!
単焦点レンズを使ってみる
単焦点レンズとは、ズームできないレンズです。
こちらの記事で詳しく説明していますが、明るい(F値が小さい)レンズがあります。ズームでは明るくてもF2.8が限界で、キットズームならF3.5より数字が大きく(暗く)なります。
対して単焦点レンズのF値はF2.8なら暗い方、F1.8やF1.4のレンズがあります。一般的にズームレンズと比べてコンパクトで明るく、画質もきれいです。
これはEOS Kiss X7にEF50mm F1.8 STMというレンズをつけて撮りました。ちょっと望遠ですが、15,000円ほどととても安く買える人気のレンズです。
APS-Cでスナップに使いやすいのはEF-S24mm F2.8 STMです。単焦点としては暗めですが、コンパクトで近接撮影にもめちゃくちゃ強く使いやすいレンズです。こちらも17,000円ほどで買えます。
超広角とか使ってみる
最後におまけです。
よく女の子に「きれいに撮ってね」なんて言われませんか(言われなかったらごめんなさい)?いわゆるポートレイト撮影です。
ポートレイト用レンズと言えば中望遠!上の写真も50mmレンズですが、APS-Cカメラで撮っているので80mm相当になっています。ボケもきれいだし申し分無し・・ですが、最近は安く買えるようになった超広角レンズも面白いです。
EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STMは3万円台で買える超広角ズームレンズです。35mm判に換算すると16-29mmに相当します。ちょっと前なら10万円出しても買えなかったのに(*_*;
女の子(に限らず人物)撮影に使うと、かんたんにインパクトのある写真が撮れます。超広角レンズで撮影すると周辺が歪むのですが、顔など歪ませたくない部分を中央にすれば問題ありません。
初心者が最初に買う交換レンズに超広角ズーム。お勧めです。
超広角レンズを買わなくても、キットズームの広角端で人物撮影してみませんか?
この記事は2017/03/05に公開され、177 views読まれました。