初心者必見、EOS Kiss Mの買い方・使い方。
2018年10月11日
毎日持ち歩ける高画質。
EOS R予約!α7R IIIきれい!EOS 6D Mark IIは安心!とにぎやかなぽちろぐですが、実は一番使用頻度が高いのがEOS Kiss Mです。なぜって?軽くて小さくて使いやすくて、いつでも持ち歩けるからです。
「今日はカメラ持ってないからスマホで」となると、後で画質にガッカリです。それならリコーGR IIのような高級コンデジでも・・となるところですが、望遠で運動会も、超広角で雄大な風景も、レンズ交換でいろいろと楽しめます。使い込まないと分かりにくい部分ですが、コンデジとは圧倒的なレンスポンスの差があります。
ぜひ欲しいレンズ3本。
「好きなレンズを使えるボディ」を選べるのが一眼の良いところです。まずはどのレンズを使うか考えてみましょう。
EF-M22mm F2 STM
一番のオススメはEF-M22mm F2 STM。誰がなんと言おうとコレ一本!問題はキット設定がEF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STMとのダブルレンズキットしか無いということ。
22mmの良いところは、
- パンケーキスタイル(パンケーキのように薄い)なので、バッグに楽々入る。
- 小さいのに画質が良い。
- 近寄れる。テーブルフォトにも最適。
- ズームリングが無いので、操作しなくて良い。
- フルサイズ換算35mmで、お散歩スナップ、パーティ、ポートレート等、何にでも使える。35mm相当の良さは、しばらく使えばきっと分かります。
- F2と明るく、きれいなボケが期待できる。
- EOS Kiss Mのホワイトモデルに合わせたシルバーモデルがある。
- 実売2万円台前半と安い。EF-Mの撒き餌レンズ。
このレンズを使うためにEOS Mを買うと言っても良いレンズです。
15-45mmはフルサイズ換算24-72mmとたいへん具合の良い焦点距離なのですが、以下の理由でお勧めしません。
- 実焦点距離とF値の兼ね合いで、ボケが期待できない。
- 望遠側が短い。
- 沈胴式で「サッ」と使いにくい。
沈胴式を我慢できるなら、EF-M22mm F2 STMを後回しにしてレンズキットを買っても良いかなあ程度。
EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM
APS-Cミラーレスの特権!小型軽量な便利ズームです。フルサイズ換算29-240mmの約8倍ズーム。
広角側は、ちょうどスマホカメラ程度の画角です。
特筆は望遠側。240mmと「超望遠」の一歩手前です。しかも寄れるので、かなり大きく撮れます。
ライブ撮影をこれ一本でやったことがありますが、150人の集合写真(無理w)以外は困りませんでした。それどころか撮影に集中できて良かったです。
- 望遠側240mm。レンズ交換不要の便利ズーム。
- 外径60.9mmとEF-Mの統一サイズで小型、軽量。
- 歪曲・色味・解像度、すべて許容範囲の高画質。「素晴らしい!」ではないけれど「何も不満が無い」。
- このサイズで、強力なレンズ内手振れ補正搭載。EOS Kiss Mの高感度と合わせて手振れ知らず。
- EOS Kiss Mのホワイトモデルに合わせたシルバーモデルがある。
望遠撮影が多いなら文句無くコレ。55-250mmはフルサイズ換算400mmの超望遠レンズですが、そこまで行く必要はほとんど無いでしょう。
EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM
このレンズに惚れてEOS Mシリーズを買ったという話もチラホラ聞く、超広角ズームです。フルサイズ換算18-35mm。惜しむらくは沈胴式ですが、このレンズばかりは我慢するしかないなあ。それでも使いたい。
超広角。目で見る「外の世界」が写ります。
フルサイズ換算12mmや16mmといった超・超広角まではいきませんが、初めての超広角としては使いやすい18mm始まりです。パーティスナップで使えば、楽しい写真がいっぱい撮れることと思います。画角をカバーするスピードライトはありませんが、高いISO感度でカバーできると思います。
一眼を使うならぜひ体験して欲しい超広角です。
- 超コンパクトな超広角。フィルター装着可能で取り扱いも安心。
- 評判の高画質。
- 広角なのに手振れ補正内蔵。暗所にも強い。
- 実売3万円台。破格の安さ。
「新しい世界を撮りたい」と願う人には、最初にお勧めしたいレンズです。
一応その他のレンズも紹介。
EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM
定番のキットレンズ。手振れ補正内蔵。フルサイズ換算24mm始まりは「広角」を意識できるちょうど良い焦点距離です。旅レンズには良いかも?しかし積極的に選ぶには魅力薄。
EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM
フルサイズ換算88-400mmの超望遠ズーム。これがこのサイズ?!とビックリします。しかも安いし。運動会では大活躍と思います。あ、これは買ってません。
EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM
めっちゃ大好きな、フルサイズ換算45mm相当のマクロレンズ。しかもロック切替で1.2倍まで撮れるスーパーマクロ!レンズ先端にLED内蔵とギミックも超面白いです。ぽちろぐでも購入・・しかし手放してしまいました。
専用フードを着けるとLEDは使えない。沈胴式。1.2倍スーパーマクロは使う機会が無かった。等倍マクロはとにかく難しい!と、覚悟を決めて買うべきレンズです。
EF-M32mm F1.4 STM
これもまだ買っていません(T_T 欲しい!
フルサイズ換算50mmの標準F1.4。よくまあこのサイズで作ったなあ!と驚きました。ボケも大いに期待できます。
ネックは価格だけですね。EOS Mでポートレートを撮りたい人は必携です。他のレンズは必要無いレベルw
最初に買うべきアクセサリー
SDカード
これ無いと撮影できません。
EOS Kiss Mは連続撮影速度もそれほど速くないし、そもそもUHS-II規格には対応していないので、UHS-I Class10の16GBまたは32GBがオススメです。8GBでも十分ですが、最近は32GB未満を見ることが少ないようです。
SDカードは消耗品です。一度でもエラーが出たらすぐ買い換える!そのつもりで、信頼できるメーカーのそこそこの容量の適正な価格の物を買いましょう。過大な大容量・使えない機能の高級品は無駄なだけでなく、買い換えを阻害して悪影響です。
カードは買い換えできますが、シャッターチャンスは「もう一度」というわけにはいきませんからね。2枚買っておくと良いでしょう。
レンズフィルター
全部のレンズに「保護フィルター」を取り付けましょう。これ、絶対。先日も友人が旅行中に前玉をガリガリと(T_T 「旅の途中から撮れなかったの」と大泣きしていました。
それぞれサイズが違うので、店員さんに選んでもらうか、よく確認して購入しましょう。通販サイトなら「オススメ」として提案されます。鏡筒サイズは60.9mmに統一されているEF-Mレンズですが、フィルターサイズはレンズごとに異なります。
液晶保護フィルム
EOS Kiss M専用品が数種類あります。1000円以下で買えます。
予備バッテリー
せめて1個、予備が必要です。パーティにでも持って行ったら、きっと途中でバッテリー切れを起こすでしょう。内蔵ストロボを使用する場合は消耗がとても早くなります。純正は高いので互換品という手もありますが、アタリハズレがあるのは覚悟してくださいね。型番はEP-L12です。
ストラップ
「付属してるのに買うの?」と言われそうですが、可愛い可愛いEOS Kiss M。赤×黒のキヤノンカラーではないストラップは、気分が盛り上がりますよ。
首掛け・ハンド・親指といろいろな種類があります。
EOS Kiss Mは汎用ストラップのほとんどが着けられますが、丸環タイプはダメ。ご注意ください。
[×]スピードライト
高感度画質が向上し、出番が少なくなりました。当分、内蔵ストロボで十分です。それもほとんど使わないなあ。
明確な撮影意図がある人には、スピードライト 430EX III-RTが大定番です。
開梱
カメラ・アクセサリーが揃ったら、まずは物理的なセッティングです。
- バッテリーをフル充電する。時間がかかるので最初にセット。
- 液晶保護フィルムを貼る。風呂場でやると湿気でホコリが立たず、うまくいくという話を聞いたことがあります。
- レンズフィルターを取り付ける。
- ストラップを取り付ける。
- 保証書やレシートをまとめる。もしかすると割引キャンペーンが実施されているかも?
- SDカードを入れて「初期化」する。
- 箱を片付ける。将来買い換えを考えているなら、梱包材はすべてとっておきます。
設定
EVFの調整
最初にやるべきことって何だと思いますか?
それはファインダーの「視度調整」。
背面モニタしか使わない人も増えていますが、せっかくの一眼。ぜひファインダーを覗いてみましょう。撮影に没頭できるだけでなく、おでこでカメラを支えることになり、手振れが圧倒的に減りますよ。
EOS Kiss Mはミラーレスなので、小さなモニターをレンズを通して覗くEVF(電子ビューファインダー)です。基本的に無限遠が1m先に見えるようにできています。その「1m先」にピントを合わせる能力が人によって違います。それを調整してくれるのが視度調整です。
ちょっと操作しにくい、EVFの下に視度調整レバーがあるので、EVFを覗きながら左右に動かしてください。ビックリするぐらい見え方が変わります。このレバー、勝手に動いてしまうことが多いのが玉に瑕(T_T 後継機では対策して欲しいなあ。
撮影モードの選択
ダイヤル1個なので悩むことも無いと思いますが(^_^;
A:フルオート。オートフォーカスも露出も、すべてカメラ任せです。これが案外とキレイに写るので悔しい(^_^; ただし自由は制限されます。
P:プログラムモード。明るさに応じて絞りとシャッタースピードが自動的に変更されます。「A」の基本になっているモードです。
Av:絞り優先モード。「ボケ」は絞り値に大きく影響されるため、このモードを好む人も多いです。シャッタースピードが自動的に変更されます。
Tv:シャッタースピード優先モード。動きの速い被写体を撮る時に活躍します。絞りが自動的に変更されます。
M:マニュアルモード。すべてを自分で決定します。星空や花火撮影では大活躍です。
シーンオート:シーンに応じた設定がされます。
MENU
撮影画質の選択
JPEG(ジェイペグ)とRAW(ロウ)が選べます。ふつうはJPEGを使います。
RAWとは「なま」のこと。センサーが受け取ったデータをそのまま吐き出すので、以下のような特徴があります。
- データ量が豊富で、後で画質を調整しやすい。夕方の写真から赤味を取り除いたり、暗部を明るくしたり、シャープネスを強くしたり、色ごとの鮮やかさを変更したりできます。
- RAWデータは、撮影したカメラと、専用アプリを入れたPC以外では見ることができません。
- データサイスが大きいです。
撮影が楽しくなり「もっと思い通りの画質にしたい!」となったら、ぜひRAW撮影も試してください。
ボタンのカスタマイズ
一切やらなくてもEOS Kiss Mを使えますが、好みに設定するとグンと使い勝手が向上します。
ポイントは「どのボタンに何を割り振るか?」と考えるのではなく「必要な機能とボタンはどれ?」と探すことです。一度、全部のボタンをオフにすると分かりやすいです。
特に不具合が発生しやすいのは、以下のボタンです。
AF/MF:強く握った時や移動時に押されてマニュアルフォーカスになっていることがあります。このカメラをMFで使うというのはほぼ考えられないので、ぜひオフにしましょう。
スピードライト:強制発光と非発光を切り替えます。EOS Kiss Mのスピードライトは手動式で自動ポップアップ機能は無いため、これもオフにしましょう。不要な機能です。内蔵スピードライトを持ち上げても光ってくれないことが多々あります。
ビデオ撮影をしない人は、録画ボタンに別の機能を割り当てても良いかもしれません。
MFnボタンは絞り込み(被写界深度確認)機能か、露出補正がオススメです。
本当は背面十字キーの上下ボタンに露出補正が割り当てられると良いのですが、その設定はできません。露出補正ダイヤルが独立していないのは、EOS Kiss Mの最大の弱点です。
AWB(オートホワイトバランス)は設定変更必須
最近のEOSに搭載されている「AWD(雰囲気優先)」、こいつがデフォルトになっています。必ず「AWB(白)」に変更しましょう。
私は最初これに気づかず、「やたらと赤く撮れるなあ」「RAW現像しないと、こんな変な色だっけ?」「しょせんKissか・・」と悩みました。
ハッキリ言って「AWB(雰囲気優先)」はお馬鹿です!白熱灯下でのみ赤残ししてくれるのではなく、なんでもかんでも赤に振っちゃいます。けしてそういうアルゴリズムで作ってあるわけじゃないだろうけれど、現実にはうまく動作してくれません。
AF方式は「顔+追尾優先AF」
これ一択なのは理由があります。
「タッチ&ドラッグAFがあるから!」
「顔優先AFだけど、遠近競合でピンポイントにピントを合わせたい」という時、ふつうは
- 一点AFに切り替えて
- AFポイントを移動して合焦
という手間がかかります。
ところがタッチ&ドラッグAFでは、液晶モニタを操作した瞬間に適切なAFエリアに切り替えてAFポイントも移動してくれます。
これは快感!実際に操作しないと分かりにくい、触れば一発で納得の機能です。
瞳AFは「する」
なぜか「瞳AF」は初期設定で「しない」になっています。最大のウリの一つなのにねえ?ぜひ「する」にしておきましょう。バストアップ以上であればススッと目にピントが合います。
EF-Mレンズはあまり明るいレンズが無く、そもそも実焦点距離が短いため被写界深度が深めになります。バストアップより離れると瞳AFが効かないように思えるのは、顔認識AFでじゅうぶんに被写界深度に納まってしまうからなのでしょうね。
コンティニュアスAFも入れておくと動作がキビキビします。その代わりバッテリー消耗が早くなります。
タッチ&ドラッグAFは相対右上が便利
ワイドエリアの追尾&顔優先AFで道ばたの小さなお花を撮りたい。なかなか思ったところに合焦してくれない。そんな時にタッチ&ドラッグで合焦したい位置にAFポイント移動の一手間で済みます。一時的にAFモード自体を切り替えてくれる優れものなのです。
AFポイントの移動は「絶対位置」よりも「相対位置」が便利です。これは触ってみれば分かります。
液晶モニタの「右上」だけに限定するのは、鼻が当たって誤動作するのを防ぐためです。好みで「右半分」でも良いかもしれません。左利きの方でも、シャッターボタンが右側にある限り「右半分・右上」の設定で問題ありません。親指で操作します。
カスタム機能(C.Fn)
- ISO感度拡張を「する」
- セイフティシフトを「する」
- レンズなしレリーズを「する」
Kissシリーズにセイフティシフトがついたのは初めてかしら?
オールドレンズを使いたい人は「レンズなしレリーズ」の設定忘れに注意です。
露出調整段階が1/3段から変更できないのは泣き所です。1/2・1段ごとが選べると良いのですが。ファームアップに期待します。
測光Simulation
「する」にしないと、露出補正がEVFに反映されません。
ISO感度に関する設定
ISO感度は「オート」がオススメです。高感度画質が大幅に向上したおかげで、シビアにISO感度を設定する必要が無くなりました。ISOオートの上限は、最大値25600で良いでしょう。
高輝度側・階調優先
D+が良いでしょう。
タッチシャッター
EVFを覗いて撮影する人は「しない」が吉です。背面液晶モニタが主の人は、好みで「する」にしましょう。
再生関連のMENU
縦位置画像回転表示
「PCのみする」が正解です。縦位置で撮った写真が小さく表示されるのを防げます。
EF-M22mm F2 STMつけっぱがオススメ
便利ズームって、ふと気づいた時にサッと撮るというスタイルには向かないです。それこそライブ撮影のように「便利ズームじゃないと不便!」という状況の方が活躍します。
その点22mmはフルサイズ換算35mmで
- 「ボーッと見ている視野」に近く
- 近寄って撮れるので、凝視することもでき
- F2と明るいのでボケが大きく、写真らしい表現
が可能です。
全部EF-M22mm F2 STMで撮りました。
写真と撮影を楽しみたいなら、ぜひEOS Kiss MにEF-M22mm F2 STMを付けて毎日持ち歩いてみてくださいね。
この記事は2018/10/11に公開され、252 views読まれました。