9200117035641291ぽちろぐEOS R6II・GR III・α7IIIの実体験お散歩カメラブログ。初心者向け、ニコンがフルサイズミラーレスを出すので、デジタル「一眼レフ」と「ミラーレス」の過剰に詳しい話。
初心者向け、ニコンがフルサイズミラーレスを出すので、デジタル「一眼レフ」と「ミラーレス」の過剰に詳しい話。

初心者向け、ニコンがフルサイズミラーレスを出すので、デジタル「一眼レフ」と「ミラーレス」の過剰に詳しい話。

仕事柄というか趣味柄(こんな言葉は無い)、カメラ購入の相談をやたらと受けます。最近多いのが「そろそろミラーレスが欲しいの!ウフ」というやつです。こういう子は「レンズ交換できて色々撮れるカメラ」が欲しいのであって、一眼レフでもミラーレス一眼でもそれぞれの違いを意識して言っているわけではないことが多いのですね。

ごくたまーに「これまでニコンD3000を使っていて、そろそろミラーレスに乗り換えようかと思うんだけど、どう?」という強者もいますが、2%ぐらいだと思います(^_^;

結局の答えは

  • 何撮りたいの?
  • 予算は?
  • どの程度の情熱があるの?

の3つで決まるので「ミラーレスとはなんぞや?」なんてどうでも良い問題ではあるのですが。でもね、相談された側としては「ちゃんと理解させてあげられない気持ち悪さ」が残るので、この際ゆっくり読んでもらおうとこの記事を書きます。

先に結論

ミラーレスを買うなら、オススメは3つです。

  • 予算が十分にあるならソニーα7III。何にでも使えます。レンズが高くて困りますが、オールドレンズ遊びもできます。コンデジやAPS-C機からのステップアップなら、その画質に驚くことでしょう。
  • 予算がソコソコならキヤノンEOS Kiss Mダブルズームキット。何でも撮れます。「子どもの運動会撮りたい!」とかならベストです。オールドレンズ遊びには、実質的に役立ちません。そういうポリシーで製品デザインされていないですもの。
  • 情熱はあるけど予算がソコソコの人は、キヤノンEOS Kiss Mダブルレンズキットを買ってEF-M22mm F2だけ使いましょう。明るい単焦点は、作品作りに向いています。

ただしいずれも将来性には「?」が付きます。何故かって?ニコンが予告中・キヤノンが噂になっている両巨頭のフルサイズミラーレスが年内に発表または発売されるからです。ソニーの先行逃げ切りは難しいだろうなあ。EOS Kiss Mは、システム展開としては苦しい仕様だし。

オリンパスは?パナソニックは?フジフイルムは?それは、ぽちろぐではちゃんと使っていないのでオススメできないだけです。OM-D EM-1 Mark IIはモニターで使用しましたが、良い物は良いですよー!

スマホカメラからミラーレスにしたい理由

  • ボケがきれい。
  • 望遠が使える。
  • 動作レスポンスが良い。
  • 持っているとカッコイイ!

案外と「画質が・・」という話は聞かないですね。それでいいんです。

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センサーサイズの比較は上図の通り。でかいフィルムで撮った方がきれいな写真になるのと同じです(大雑把w)。本当は「同じ画角(望遠とか広角とか)なら、センサーサイズが大きい方が焦点距離が長く、ボケ量が大きくなる」とかいうのがありますが、それは過剰に過剰な話になりますので別項で。

一眼レフとは

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「一眼」とは「一つのレンズを通して被写体を確認・合焦し、撮影する」という意味です。「そんなの当然じゃない?」と思われるかもしれませんが、対比として「二眼レフ」や「レンジファインダー」を知らなければなりません。これは下の方で解説します。

さて、一眼レフの構造は。

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  1. レンズを通った光はミラーで反射されスクリーンに合焦します。このミラーが「レフ(reflex:反射)」です。
  2. スクリーンで合焦した像は左右反転していますが、ペンタプリズム(機種によってはミラー)で正像に戻されます。
  3. ミラー中央部は半透過で一部の光がサブミラーに届き、さらに反射されて測距用センサーに届きます。
  4. 撮影時はミラーが跳ね上がり、光がイメージセンサーに届きます。
  5. 撮影後、ミラーは元の位置に戻りファインダー像が回復します。これをクイックリターンミラーと呼びます。初期の一眼レフはフィルム巻き上げまでミラーが上がったままでした。
  6. AE(測光)用センサーはペンタプリズム内に置かれることが多いようです。フィルム時代のキヤノンF-1はファインダースクリーン内の一部の光を反射して測光用センサーに導いていました。「合焦付近で即行するので精度が良い」とかの説明を読んだ気がします。

複雑ですね!

  • ①==②+③==②+④でなければなりません。とてつもない精度が要求され、経年変化にも対応しなければなりません。
  • 物理的にミラーを動かさなければなりません。耐久性・動作ショック・動作速度等、多くの課題を抱えています。
  • ペンタプリズムはガラスの塊で、重く、高価です。
  • ペンタプリズムをペンタミラーにすると軽く安くできますが、光量ロスが大きくなります。
  • センサーが3つも必要です。測距用センサーと測光用センサーを兼ねることもできますが、大きく・高解像度にすると高価になります。
  • ファインダースクリーンの作り方でファインダーの見え具合が大きく変わります。そもそもボケ具合を完全に再現することができません

しかしデメリットばかりではありません。

  • 文字通り「光の速度」で被写体を確認できます。
  • ファインダー像が自然です。
  • これまでのシステム資産が豊富です。
  • 多くの人が使い慣れています。

さらに、背面液晶を使えば文字通り「ミラーレス」になります!いやいや、実体はミラーアップなんですけどね。ファインダーは見えなくなっちゃうしw

ミラーレスとは

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構造がシンプルです。

  1. レンズを通った光は、常時イメージセンサーに届きます。
  2. 電気信号に変換された画像を「電子ビューファインダー:EVF」という小さなモニターに表示されます。
  3. イメージセンサーは測距・測光センサーを兼ねています。

フィルム時代には絶対に実現できない構造ですね。

  • サイズが大きく高解像度のイメージセンサーが測距/測光センサーを兼ねているので、被写体認識(顔認識や瞳AF等)が容易に可能。
  • ファインダーは「モニターを見ている」ので、拡大縮小自由自在。露出補正やデジタルエフェクトも反映可能。
  • 被写界深度(ピントの合う範囲)の完全な確認が可能。
  • 可動部が少ないため耐久性に優れ安価にできる。
  • 大きく重いプリズムが無いので軽く安価。

決定的な弱点もあります。

  • イメージセンサー→光信号を電機信号に変換→転送→モニタに表示と時間がかかるので、被写体の変化と完全に同一の時間を見ることができない。
  • EVFの品質にファインダー像が大きく左右される。精細感・色味等々。
  • 電源を入れていないとファインダーが真っ暗。入れっぱなしにすると電池を早く消耗する。

タイムラグに関しては数字上は「人間が認識してからシャッター押すシャッターラグに比べれば大したことない」とも言えますが、違和感は否めません。

EVFは、現在の高級機では360万〜400万画素となり、精細感については向上してきました。

いずれの問題も技術進歩で大きく改善されることでしょう。「だからミラーレスはダメなんだ!」と言える問題ではないと思います。

これからのイチガン

「ミラーレス」というのはパナソニックがルミックスシリーズ発売時に使ったキャッチフレーズで、その後、写真工業会だったかな?が「ノンレフレックス」という一般語を広めようとしましたが失敗しました。言ったもん勝ちだなあ。

ミラーが無いからミラーレス。一眼レフにミラーがあってそれがどういう役割を果たしているか、一般には知られていないのに。「レフ」がミラーを指しているということも知られていないのに。「一眼レフが欲しいの」と言う子が候補にミラーレスを挙げるのに。

語呂が良いのでしょうね。パナソニックのネーミングセンスに脱帽です。

さて。

これからのイチガンはミラーレスで決まりでしょう。製造技術の蓄積問題こそあれ、構造がシンプルで新技術導入に制約の少ない方が良いに決まっています。

  • 構造がシンプル。
  • 加工精度を要求される箇所が少ない。
  • デジタルである限り電池が必要なので、フィルムカメラと違って「オール機械式」は作れない。よって耐久性・耐候性には原理的に差が無い。
  • ミラー駆動が無い分、耐久性は向上させやすい。また連写速度を上げやすい。
  • EVFの見映えは技術革新と慣れが解決する。
  • 重いプリズムが無いので軽い。
  • ミラーボックスが不要なので薄くできる。
  • 電源問題は一眼レフよりも重大だが、低消費電力化と電池の大容量化で実用レベルに達する。

「技術は進歩する」という前提で、原理的にはミラーレスが期待できます。

ライカは「デジタル一眼レフは過渡期の製品だった」と言い切った

https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/728735.html

そう言ったライカは一眼レフのRシリーズを止めてしまいましたね。古くさい(褒め言葉です)レンジファインダーM型は継続しているのに。

理に適わない物はバッサリ切る姿勢は、清々しくさえ感じます。Rユーザーはたまったもんじゃないでしょうけれどねえ(^_^;

他のカメラ

代表的な二眼レフ「ローライフレックス」。

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  • 上のレンズの後ろに固定ミラーがあり上面にはファインダースクリーンがあります。ミラーで反射した光をスクリーンに結像して確認します。
  • 下のレンズの後ろには当然フィルムがあります。上下のレンズは連動して動き、ピントを合わせることができます。
  • レンズが2本必要で構造も複雑、ミラーで反射しただけのスクリーン像は左右反転します。
  • ローライフレックスについてはこちらのサイトに詳しく書かれています。http://nikomat.org/priv/camera/2.8C/index.html

レンジファインダーで代表的なのは、もちろんライカです。

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向かって右上にあるのが「素通しのファインダー」です。中央左寄りにある小さな窓とで「三角測量」の要領でピントを合わせます。これもファインダーとレンズが連動して動くため構造が複雑です。

一眼レフに無くてミラーレスにある主な機能・ミラーレスの優位性

瞳AF

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AFエリアの広さとともに瞳AFはミラーレスの独壇場でしょう。これに惹かれてミラーレスを導入する人も多いのでは?

AFをスタートするだけで人物の瞳を見つけてピントを合わせてくれます。被写界深度が浅い望遠レンズでポートレートを撮る時など「もう手放せない!」と思うほど便利です。

原理的には、顔認識できるタイプの一眼レフでも測距センサーを高解像度化すれば実装可能です。しかしそれじゃあコストがとんでもないことに!加工精度もより以上に要求されるため、現実的ではありません。ぶっちゃけ「そんなの無理」レベルです。

ブラックアウトフリー

イメージセンサーが画像記録中もEVFに信号を送れれば、ブラックアウトフリーは可能です。

ミラーがある場合は不可能・・・ではなくて、半透明固定ミラーを使用すれば可能だし過去にはそういった製品もありました。

軽さ・薄さ

ガラスの塊であるペンタプリズムが不要なため、とても軽くなります。まったく同じサイズで作ったとしたら、ミラーレスはその軽さに驚くことでしょう。

ミラーを入れるミラーボックスが無い分、厚みは制約を受けません。極論すればマウント面からイメージセンサーまで0mmも可能。バックフォーカスはレンズ側に持たせる・・と、それはバカらしいので誰もやりませんが。

オールドレンズを使用可能

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ライカのようなレンジファインダー時代のレンズは、一眼レフ全盛期には使用できませんでした。これはフランジバックがレンズの方が短いためです。

ミラーレスはフランジバックをいくらでも短くできるため、アダプターを経由すればどんなレンズでも取り付けられます。

一眼レフでは見えにくかったピントも、EVFなら拡大してシビアに合焦可能です。

何故ぽちろぐのメインカメラはEOS6D Mark IIなのか?

原理的に優れている・将来性のあるミラーレス!

しかし私のメインカメラは未だに一眼レフのEOS6D Mark IIです。どうして?!

これはひとえに「撮影目的に応じた使い勝手」のためです。

ぽちろぐは超広角でのライブ撮影が一番多いですからね!

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  • 開放F4のレンズをF5.6で使用。暗くてもAFがほとんど迷わない。
  • 16-35mmの超広角ズームなので被写界深度が深く、顔認識AFで十分。
  • 1000〜2000枚撮っても、バッテリー交換不要。レンズ交換すらわずらわしいのに、バッテリー交換なんて面倒臭い以外のなにものでもない。
  • 撮影中はカメラしか持たないので、大きさ・重さはそれほど気にならない。それよりもグリップ感の方が重要。
  • 精度はそこそこだが、見やすく邪魔にならない水平器表示。

さらに「カメラとしての完成度」の問題もあります。

  • 暗闇でも交換できるEFレンズのデザイン。
  • ワンタッチの電池蓋開閉システム。
  • ワンタッチのメディアスロットカバー開閉システム。
  • 触りやすく勝手に動きにくいメイン電子ダイヤルデザイン。

逆に言えば、上記問題点が解消されればぜひミラーレスが使いたいです。軽い方が楽だし、激しい動きの中で瞳にピントが合って背景がボケた写真も撮りたいし!

キヤノン・ニコンがミラーレスの新システムを準備中

ニコンは2018年8月23日にフルサイズミラーレスを発表することを通知しています。

https://events.imaging.nikon.com/live/jp/

伝統のFマウントから、ついに新規マウントに乗り換えですね。

Canon Watchでは、キヤノンは9月3〜4日にフルサイズミラーレスを発表する予定だと言っています。まだ何の裏付けも取れていないようですが。

最近のレンズは高画素化に応じた高解像度化・収差の徹底的な除去で大型化・重量化が進んでいます。新ミラーレスの登場で、この状況が改善されると良いなあと思います。

大きくても重くても、高画質主義。ボディもレンズも大きく重くてOK。風景やポートレート、その他静物に。

レンズ・ボディを合わせて小型に。性能・品質はそこそこでも、いつでも持ち歩ける!お散歩カメラに。

例えば50mmや85mmならF2、28mmならF2.8、14mmならF4といった具合に、多少暗めでも高画質。しかしそこそこコンパクトといったバランス型。スナップで作品を作れるような。ライブ撮影に要求される機種はコレです。最近のタムロンは、これを目指しているように感じます。

ぽちろぐは

ツァイスがソニーα7用にBatis 2/40CFを発売するようです。早ければ8月発表9月発売?ちょっと広角目の標準レンズで、AFで近寄れるのが特徴です。大きさ・重さもそこそこ。価格は10万超え確実ですが、これは導入したいです。

ニコンは8月23日に新ミラーレス発表。発売日は分からないですが。

実はニコンを真剣に使ったことが無いのですが、これは買ってみたい!たぶんシグマMC-11に相当するマウントアダプターも出てきてEFマウントレンズも使えるようになるでしょうから、レンズについて困ることは無いでしょう。

キヤノンは9月3日とか言われていますが未だ五里霧中。出たら買いますよ〜〜〜!!!

いろいろ試して、ライブ撮影、スナップ、ポートレートに使えるヤツを残してシステム構築していくつもりです。楽しみだわあ。

この記事は2018/08/08に公開され、66 views読まれました。

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