会社のホームページは契約に注意、業者がドメイン・スクワッターに豹変!
2016年04月20日
ドメイン
ドメイン:pochilog.jpのように、ホームページの住所のこと(とても端折って説明しています)。
ドメイン名は、今となっては企業の看板のようなものです。TOYOTA.JPでトヨタ自動車、SONY.JPでソニーに辿り着けないと思う人はいませんよね?
わざと大文字で書きましたが、ドメインは大文字・小文字を区別しません。toyota.jp、sony.jpでも同じです。後に続く「/」で区切られた部分は大文字小文字を区別するサーバがあります。
ドメイン名というのは「先願制」で、先に登録した者勝ちです。昔はとにかく「売れそうな名前を片っ端から登録して」稼いだ人もいるようです。それがあまりにも目に余る行為だったようで、現在は「ドメイン名を所有する正当な事由の証明」ができれば調停してもらえることもあるようです。
しかし駄菓子屋の「とよた屋」が先にTOYOTA.JPを取得していたらどうなっていたかなあ?
ちなみに.CO.JP等の「属性型JPドメイン」は単なる先願制ではなく審査がありますので、信用度が高いと言われています。聞いたことが無いような会社でも「○○○○.co.jp」のホームページを開設していれば、少しは信用できるのかな?程度に。
ちなみにうちは昔、downunder.co.jpを取りました。申請費やらなんやら全部で5万円ぐらいかかったかしら?今も残してありますが、単にd7r.comに飛ばしています。届くメールもスパムだけです。今となっては年間維持費も安いので、もったいなくて手放せない程度の理由しかありません。
ちょっと、d7r.comのお話。
.com等はgTLDと呼ばれる「一番上」のドメインです。.net、.org等があります。こいつらだけは2文字のドメイン名が許可されていますが、インターネットの一般利用が許可された頃にはすべて埋まっていました。それ以外の.co.jpや.co.uk、.tv等は最低3文字必要です。意味のある3文字は、やはりほぼ取得不可能です。cat.comとかdog.netとか。それでも実際に使われていないドメインはたくさんありますがね。
d7r.comは「d+7文字(ownunde)+r」.comの意味。よくまあ取れたものです。
スクワッタ:スクワッター/squatter/不法占拠者
かように重要なドメイン名ですから、先願制を良いことに買い占めるヤツが出てきます。先に述べたように、最近は調停もあるので買い占めしてもかえって損をするなんてこともあるようです。良い子は絶対にマネしてはいけません。
歌手のマドンナが「madonna.com」だか.netだかで勝訴したのも大きなニュースになりましたね。ちなみに単に「有名だから勝てる」というわけでもないです。マドンナの場合は、相手が転売目的であったことが勝因だったようです。ダフ屋と同じだ・・。
上記の通り「転売目的でドメインを買い占める人」を「ドメイン・スクワッター」と呼んでいました。これはほぼ絶滅したと言って良いでしょう。
現在の問題は以下のような流れで発生します。
- 15〜5年前、ホームページ制作を業者に依頼。
- クライアントの経営者/担当者はインターネットに詳しくない。
- ドメインを提案されて選んで、サーバもお任せ。
- 月額3万円とか5万円とか支払っているのにホームページが重たいな?と思ったら、実は月額500円のサーバで動いていた。
- まあ昔のこと、仕方ないとあきらめて新しいホームページに変えたいぞ!
- ついでに業者も上手くて早くて安くいヤツにしよう!
- これまでの業者に「ご苦労さん、ホームページ新しくするから切り替えてね」と通達。
- これまでの業者が「他社に切り替えるだと〜!?」と激怒。「他社に作らせるなら、ドメインの切り替えはしない!」と抵抗。
5年、10年と使ったドメインを変更するのは、かなりの負担です。分かりやすいところでは、名刺。URLもメールアドレスも全部変更!場合によっては看板も。顧客にメーリングリストをサービスしていたりしたら、それも。金銭的な負担だけでなく信用面でもダメージ大です。
この場合、ドメイン取得・維持の契約は、業者とレジストラ(ドメインを販売している会社)とで行われています。その契約に、本来はドメインの所有権を主張できるはずのクライアントは関わっていません。クライアントからレジストラに直接かけあったとしても「裁判でもしていただかないと【業者】を無視して所有者変更を行うことはレジストラとして行えません」と返事が来ます。
解決策
- これまでの業者に新しいホームページも任せる。しかしそんな豹変するような業者、使いたくないですよねえ?
- 金で解決する。他でかかる費用を考えたら「手切れ金」を払ってドメインの所有権を移すように交渉するのもアリです。
- 裁判する。たぶん勝てると思いますが、判決が出るまではドメインが使えなくなることがありえます。裁判費用も馬鹿になりません。
- ドメインを変える。「もういいや!」と慣れ親しんだドメインを捨てます。金と手間がかかりますが、一番の早道です。ただし落とし穴もあります。捨てられた業者がいじわるをするかもしれないということです。旧ドメインのホームページをわざと維持して、検索してきた視聴者をそこで止めてしまう。もっと質の悪い業者は偽ページに差し替えて誹謗中傷するかもしれない。まあ、そうなったら裁判でやっつけましよう。
予防策
- とにかく「契約書」を交わす!
- 一番確実なのは、「ドメインの所有権はクライアントにある」と契約書に明記する。
- 面倒がらずに「ドメインの管理者権限を取得(レジストラと直接契約)しておく」ことです。その手続きに多少余分な手数料を取られたとしても、後の面倒を考えれば安いものです。
- よく「サーバは?」と気にされる方が多いのですが、サーバは顧客等のクリティカルなデータを置いていなければかんたんに変更可能です。ネット通販システムでもなければ、大袈裟に心配するようなことは何もありません。
今現在、ドメインの管理を業者に任せっきりの方へ。
「そういえば契約ってどうなってたっけ?」ととぼけて、ドメイン管理を手元でするようにしておきましょう。
この記事は2016/04/20に公開され、34 views読まれました。