オールドレンズらしさが炸裂する、安価なDomiplanがオススメ。
2018年05月25日
トリプレットタイプです。写真用レンズとして「最低限の構成」と言われる三枚玉です。Meyer Optik Görlitz(マイヤーオプティークゲルリッツ/メイヤーオブティックゴルリッツ)の暴れ馬です。
Meyer Optik GörlitzはTrioplan(これもトリプレットタイプ)100周年を記念して、新しいTrioplanを出していますね。こちらは約20万円程度します。対して中古のDomiplanは、程度によりますが6000円ぐらいから。最新Trioplanとどう違うか比べる術はありません(私の予算的に)が、「オールドレンズらしさを楽しむ」にはDomiplan、最適です。
あらためてMeyer-Optik Gorlitz Domiplan 50mm f2.8について。
- 50mm F2.8、最短撮影距離は「レンジファインダーかよ?!」というほど遠い65cm。これ一本でテーブルフォトからスナップまでなんて考えちゃいけません。
- 絞りリングは先端にありフォースリングと近く、操作には慣れが必要です。絞りのクリックは1段ごと、クリック感は弱く、持ち歩いているとすぐに動いてしまいます。
- マウントはM42です。今はK&F Conceptというコスパ最強のマウントアダプターが楽に手に入るので、トータル1万円未満で楽しめます。
- プラスチックが多用されていますが、チープな感じはしません。キヤノンNewFDレンズもこんな感じだったなあという色使いです。
さて、写りは。
モデルが変わり映えせず申し訳ない(^_^;
- 色ノリはアッサリしています。
- 背景にしっかりとバブルボケが出ています。
- 二線ボケの傾向も多少あります。
- にぎやかなボケですが、アッサリした色のおかげかうるさい感じはあまりしません。
- 慎重に瞳にピントを合わせました。合焦部は確かにピントが来ているのですが、大変甘い感じがします。ピクセル等倍写真を後に掲載します。
- 肌理も睫毛も解像はしていますが、なんとなく甘い。ちゃんと写っているのに甘い感じがします。
ほら、ちゃんとピントは合っています。ブレもありません。ちゃんと写っているのに、甘い!
白黒にしても甘さはありますね。
これはひとえに「コントラストの低さ」からくるのでしょうか?MTFとかあったらチェックしたいなあ。
ちょっと離れてみました。
ボケ量が小さくなった分、背景が少々うるさくなっています。
しかし合焦部のモデルは浮き立っています。
50mm F2.8ですから、ウェストアップぐらいまで離れると開放でもそれほど大きなボケは期待できない・・・はずなのですが、塗りつぶしたようなボケのおかげでモデルが引き立ちます。
まとめ。
実にオールドレンズらしいオールドレンズです。当時の技術と販売価格との擦り合わせで「こうなったんだなあ」と思わせてくれます。
派手なバブルボケはよく話題になりますが、案外と使い処は少ないです(^_^; そればっかり撮っても「うん、きれいね」で終わっちゃうし。
実は私はこのレンズが大好きで、女の子を撮るなら「コレ!」と思っています。ポイントは2つ。背景が派手で雑なボケ方をしながらもベッタリと整理されて、モデルが引き立つこと。もう一つは肌がきれいに写ること。
バストアップでなるべく背景を遠ざけて女の子を撮ると、ノスタルジックにきれいに写ります!
閑話:オールドレンズ趣味について。
せいぜい数万円程度ですが、「オールドレンズなのにこの解像力!」「素晴らしい色!」なんてレンズも使ってみました。素晴らしいレンズほど「現代のレンズ並み」になってしまって、本末転倒のような?単純に「写りの良さ」と「使い勝手」を比べたらEF50mm F1.8 STM最強なんてね(^_^
「基本ダメだけど、一つ二つキラリと光る魅力がある安いレンズ」が、結局は楽しいかなあ?なんて思っています。
その点、Domiplanは「ダメダメだけどパプルボケが楽しくて、女の子をアップで撮るときれいに撮れる」、実にオールドレンズらしいレンズだと思いますよ。
この記事は2018/05/25に公開され、161 views読まれました。