シグマ45mm F2.8 DG DNレビュー。これ一本で楽しいレンズ。
2019年12月08日
目次
α7IIIとともに「一本はFEマウントネイティブのAFレンズが欲しい」と選んだのがコレ、シグマ45mm F2.8 DG DNです。
単焦点レンズが好き。
走り回って、重いズームレンズを駆使して撮るのはEOS Rシステムに任せます。こちらは大満足していますから!RF24-240mmもアダプター経由で使うEF16-35mmも、素晴らしい働きをしてくれています。
対して「α7IIIは趣味のカメラ」と思っていましたので(その気持ちは実際に使っても変わらず)、レンズは単焦点と決めていました。
その単焦点、焦点距離は?性能・機能の重視ポイントは?
- 35〜50mmが大好き!50mm F1.4は最高!
- 使いやすいのは40〜45mmと、ちょっと広角寄り。55〜58mmといった望遠寄りは万能感が薄れます。
- 最短撮影距離が大事。最大撮影倍率が0.2倍を超えると「寄れる!」という感じになります。
- ボケ味大切。二線ボケ、ぐるぐるボケは避けたいところ。軟らかくボケてくれること。
- 解像度は、今時のレンズならはそれほど重視しない。どむのレンズも必要十分なレベルをクリアしているから。
- コントラスト・色ノリは高い方が好き。
- 周辺光量落ちは、味。
- ズームしない快感!
ボケ量については贅沢は言わないことにします。ボケ量を稼ぎたい場合は、85mm F1.4、100mm F2、135mm F2といった選択肢があります。単焦点らしい明るさを感じられる限界と言えばF2.8でしょうか。
45mm F2.8とは?
ヤシカContax RTSで出会った銘玉・パンケーキレンズTessar 2.8/45 T*と同じスペックです。
「50mmが大好き!」と書きましたが、スナップにはちょっと画角が狭いことも否めません。しかし35mmでは広すぎる。「使い方次第で広角のようにも望遠のようにも見せられる標準レンズ」の50mmですが「目についた物をそのまま撮る」には(ほんの気持ち程度)狭いのですよね。
そこで45mmです。
近づいてくる子どもや犬もギリギリ収めることができ、ポートレートでもデフォルメされません。バランスが良い!
F2.8と単焦点としては暗めですが、小型化とのトレードオフですね。
シグマ45mm F2.8 DG DN。
仕様(https://www.sigma-global.com/jp/lenses/cas/product/contemporary/c019_45_28/specifications/)
レンズ構成枚数:7群8枚
画角(35mm判):51.3°
絞り羽根枚数:7枚 (円形絞り)
最小絞り:F22
最短撮影距離:24cm
最大撮影倍率:1:4(0.25倍)
フィルターサイズ:φ55mm
最大径 × 長さ:φ64.0mm×46.2mm
質量:215g
公式サイトに掲載されているMTFを載せておきます。
購入時の価格は55000円前後でした。
ボケ量が期待できないことを除けば、小ささ・重量・最短撮影距離(最大撮影倍率)・デザインとも大満足です。
ボケ味が穏やか。
F2.8開放。
「トロけるようなボケ」というほど大きなボケではありませんが、ボケの輪郭が見えない良いボケだと思います。
F4。
ピント部分がクッキリしました。絞りで表現が変わるようですね。
F5.6。
一段とコントラストが上がったように見えます。解像感の違いはあまり感じません。
前ボケの例。
後ボケの例。
イルミネーションって、ピントを合わせて撮ってもつまらない例。
新宿サザンテラスのイルミネーションがきれいだった例。
ボケは総じて量は大したことありませんが、自然で良いボケだと思います。よく滲むボケのおかげで、立体感も強く感じます。
最大撮影倍率が0.2倍を超えると。
いろいろなレンズを使ってきましたが「最大撮影倍率0.2倍(1:5)」よりも大きく写せるレンズは「大きく撮れる!」という感覚が強くなります。
等倍マクロなんてね、日常スナップでは出番無いんですよ〜(^_^; せいぜいハーフマクロ、1/3倍写せればほとんど困ることはありません。その境界線が0.2(1/5)倍です。
シグマ45mm F2.8 DG DNの最大撮影倍率は1:4(0.25)倍。これで文句を言ったらバチが当たります(^_^
近接時はボケが大きくなりますね。二線ボケの傾向が見られないため、大変キレイですね。
描写について。
犬と女の子。睫毛もクッキリで、必要十分な解像度とコントラストだと思います。
月がこれぐらいに写ります。周辺減光は補正しないとこれぐらい。
F2.8で金属の質感。
絞り込むと多少クツキリしますが、軟らかい印象は変わりませんね。
プラスチック。立体感は得意です。
半逆光の花。
- 後ボケはクセが無くキレイですね。
- 開放だとピント周辺はかなり滲みます。
- 玉ボケは周辺以外では真ん丸です。わずかに年輪ボケがありますが、ごく穏やかです。
逆光にはけっこう強いですね。
機能は万全。
α7IIIの目玉機能「動物瞳AF」。
もちろん手振れ補正も効きます。
意外と便利なのがAF/MF切替スイッチです。α7IIIはEOS Rと比べると暗所AFに弱いので、この写真の都庁の赤い照明にピントを合わせようとすると迷ってしまいます。そんな時はMF+ピント位置拡大表示で凌ぎます。ソフト切換よりも直感的に対処できます。
AFは遅くなく、しかし爆速というほどではなく。
絞りリング。
購入前「なんでこんなもん付けたんだ?ロックも無いし」と心配していた絞りリング。
私の使い方からすると不要であることは変わりないのですが、Aマ−クが最小絞りF22と十分に離れていてクリック感も強めなため、ずれることはありません。
クリック感は無効にできないので、動画向けに付けたというわけではないし?純粋にデザインとして付けたのでしょうかねえ?
小さい軽い!見た目が良い。
持っていてカッコ良いカメラっていいですよね(^_^
クラシカルな外観が、やはりクラシック臭のするα7IIIとよくマッチします。
ネックストラップで首からぶら下げていると、こんな風に見えます。カッコカワイイ!
つくづく「レンズ選びは撮りたい物次第だなあ」と思います。
背景ボケボケの写真を撮りたい人には勧められませんが、いつも持ち歩いて気軽に何でも撮りたいなら実にお勧めのレンズです。
この記事は2019/12/08に公開され、488 views読まれました。