ニコンZ fcレビュー。なぜ早々に手放すのか?
2021年10月17日
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網戸の向こうのミミの瞳をしっかり捉えるニコンZ fc。
ニコンZ fcとさようなら。
中古で見つけて1ヶ月。先日はZ28mm F2.8キットも発売となり、Z28mm単体も11月19日に発売が決まったばかりですが、EOS R3のための下取りにすることが決定しました(すでにマップで見積中)。
なんでそうなった??
可愛いかわいいヘリテージデザイン。
これまでに発売されたクラシックデザインデジタルカメラの中手簿も群を抜いてクラシカルなZ fcのヘリテージデザイン。往年のニコンFM2をリスペクトしたということで、メーカーロゴまでも旧デザインです。
「話の種になれば」
このデザインが話の種になれば、というのかせ購入の最大の動機でした。
このアテが外れました。食いついてくれるのは
- かなりマニアなカメラ女子。しかもZ fcのことは知っているレベルのマニア。
- カメラ好きのおじさん。
ぐらい。
対して
- 子ども達はもちろんそんなこと気にしない。ドラ◎もんのキャラクターカメラでもないと食いつかない。
- きれいなお姉さんに見せても「このカメラオタクめ!」と思われるのが関の山。
- 犬はもちろん気にしない。
と、メインターゲットに大空振りでした。
これならEOSのアクセサリーシューにキャラクター人形でも付けた方がマシだったわ。
オールドレンズ。
Z fcはヘリテージデザインと言われるクラシカルなデザインです。さぞやオールドレンズが似合う・・ところがAPS-Cモデルですのでオールドレンズを使っても本来の画角では撮影できません。
この「フイルムカメラに見えるサイズ感」は、現時点ではAPS-Cセンサーだからこそ実現できたのでしょうね。フルサイズセンサーになれば色々と良いことがありますが、もうちょっと技術革新が進まないと難しいのでしょう。
高性能瞳AF/動物瞳AF。
これは可も無く不可も無く。
EOS R5と比べるのは酷ですかが、2世代前のEOSとは同等と思います。
AE/ISOオート/AWD/手ぶれ補正。
GODOX V350のTTL AEには大いに問題がありましたが、一般撮影の露出精度は抜群です。ホワイトバランスも実に優れていて、ニコンらしい(と私が思う)落ち着いた色合いが出ます。
ここでの不満は「AEカーブ」と言われるものです。スナップではISOオートを使用し、Av(絞り優先)モードで撮影しています。プログラムAEでもそうなのですが「手ぶれしないようにシャッタースピードを速めに各種設定する」という設定ができないのです。EOSではISOオートの設定でできます。
Z fcにはボディ内手ぶれ補正が無いため、手ぶれ補正機能を搭載していないレンズを使う時は気を遣います。せめて「ちょっとシャッタースピードが速ければ」というシーンが多々ありました。
例えば絞りF4/ISO1600/シャッタースピード1/30秒の時、ISO3200/1/60秒にして欲しいという場合です。
アナログ操作でデジタルの恩恵を受け、
られない!!!
ヘリテージデザインとして、FM2の操作性を現代のデジタルに合わせて蘇らせたそうです。
これがイカん。
致命的なのは
- ISOオートをダイヤルで設定できない。上記のようなシーンでISOを一時的に高めにしようと思うと、メニュー画面とダイヤル操作を行ったり来たり。「1ダイヤルでなんでもできる」のがアナログ操作の良さなのに。
- 半端なダイヤルが多すぎる。「できないことはできない」という割り切りも必要だったのでは?例えばシャッタースピードの1/3ステップとか。
デザイン面の半端さ。
- 背面モニタの裏面の皮革風プラスチック。萎えます。
- シャッターボタンのレリーズ穴。なんでネジ切りしなかったのか謎です。
- f値表示窓。ファインダーを覗けば分かるから必要ありません。
- 質感。これは価格設定とのバランスだなあ。ある意味仕方がないところ。あまりに高価格では売れないですものね。
とどめ。
先日発表された「10月上旬の予定を11/19に延期」のZ28mm F2.8の件です。
これで心が折れました。
性能はともかく「欲しい!」と思わせてくれたZ fc。しかしいざ使ってみるとマニア心には響かなかった・・・。
これだけ使う分には、安くて良いカメラなんです。可愛いし。しかしEOSと併用する実用機としては力不足でした。残念。
この記事は2021/10/17に公開され、536 views読まれました。