RICOH GR IIIxは最強スナップカメラだが、ISO設定に要注意。
2022年12月23日
40mmで26mmでF2.8のGR IIIx。
RICOH GRシリーズは友人が楽しそうに使っていたこともありずっと気になっていたのですが、IIIとなって操作レスポンスにも満足、APS-Cセンサーの画質や手ぶれ補正に惚れて導入しました。なんといっても「電源ON→スッと出てくるレンズ」が良いですね。ポケットに入れてもバッグでもサッと取り出せるサイズ・デザインも最高です。
そんなGR IIIですが、40mm相当の画角であるGR IIIxが出た時に速攻で乗り換えてしまいました。
一眼レフ時代から50mm大好き。40・45mmあたりも大好物なポチは、数日触っただけで「xしか使わん!」と早々に決断できたのです。
- 画角は35mmフルサイズ換算で40mm相当。
- 実焦点距離は26.1mm。
- 明るさはF2.8。
- 「フルサイズ一眼で24か28mmのF2.8レンズ相当の被写界深度だけれど、画角は40mm」と理解できます。
「24mm F2.8かあ。ボケはそれほど期待できないな」と思うなかれ。大ボケは当然期待できませんが、背景が分かる程度に写って主被写体を浮かび上がらせるぐらいの写りはできます。
いつも持ち歩けるから、目に付いた物をパッパと撮れる。
日頃ジャケット&パンツで出かけることが多く、撮影が主目的ではない時にEOS R5を持ち出すのも億劫です。特に「セッション」だの「飲み会」だの「ウィンドウショッピング」だのとなると、大きなカメラは怪しいばかり。
しかし面白い物を見つけると撮りたくなるんですよね。カメラ好きのサガとしか言いようがなく。
お散歩だったり銀ブラだったり飯食いに行ったり珍しく高いビルの上で打ち合わせをした時に見た夕陽がきれいだったり、初めて降りた駅の周りを散策したり。
で、ここまでは「撮影条件が良い」ので問題ないのですが。
GR IIIxはEOSに比べると高感度画質がメタメタに弱い。
使用感として「ISO800より高感度は使いたくないな」という画質です。
飲み会のスナップなど「楽しく写っていれば良い」「いざとなればフラッシュ使っても良し」という場面は良いのですが。それはそれで見返して楽しめるものが撮れます。
でもね。
中野です。「あ!おもしろい物見つけた!」と思っても、この状況でフラッシュは焚けず。ISO1250、F4.0、1/30秒。友人に「面白いでしょ(^_^?」と見せるには、粒状感といい色の階調といい満足できず。
新宿で初めて行ったバー。スパイスを大胆に扱った、カクテルメインのお店です。ほぼ真っ暗。
ISO1600。F2.8開放にしてやっと1/4秒です。
感度を上げると白トビがきつくなっちゃうんですよね。
韓国マカロン・ふとっちょマカロンと言うそうです。
ISO1250です。
ライブバー、新宿歌舞伎町ドンキホーテ真裏のゴールデンエッグ。資料にと撮影したのですが、ISO1600ではGR IIIx本来の精緻な画像とはほど遠いものになってしまいました。
GR IIIxの仕様を再確認。
- 5群7枚(非球面レンズ2枚)26.1mm(35ミリ判換算で約40mm相当)F2.8~F16
- 有効画素数:約2424万画素
- ISO:100~102400
- ISOオート設定可。
- 手ぶれ補正:撮像素子シフト方式 (Shake Reduction 3軸補正)4段分相当。
- ローパスセレクター:SRユニットを用いたモアレ低減機能 (オフ、弱、強)
ポチは基本的に
- 絞り優先(A)モード。
- ISOオート。
- 手ぶれ補正オン。
- 連写。
- 全面自動選択AF。
- RAW。
で使用しています。
暗いところでどうするか?
先日、代々木公園の「青の洞窟」に行ってきました。青いLEDはあまり好きではなかったのですが、あれは綺麗ですね!
ISOはオートを解除して400に固定。さすがに絞り込むと手持ちは厳しいのでF2.8開放で撮影しました。
念のため小型三脚は持って行ったのですが、三脚撮影をする雰囲気ではなく・・・。
このようなシーンではどんなカメラでもオートホワイトバランスは役立たずになるので、RAWで撮影してLightroomで調整しています。
明暗差がとても大きいのですが、経験的に露出補正はかけずに撮りました。補正せずに撮ったRAWを調整するのが一番きれいになるようです。もちろんシーンによって違いますが。
青の洞窟は12月25日までです。
こちらは光が丘公園のイルミネーション。3年ぶりくらいの実施かな?やはりISO400に固定しました。青の洞窟よりもLEDの輝度が低いのか、白トビせずに撮れました。
いずれもF5.6から、できればF8まで絞って被写界深度をかせぎたいところですが、そうなると三脚を使わざるを得ません。
ある程度しっかりと描写したかったのでISOは500。F4.0まで絞って1/30秒です。
大ボケでは無いですが、実にしっとりとしていて好きな描写です。
どうしようもないシーンもある。
すみだ水族館のアイドル、チンアナゴです。
画質を重視すればISO400まで。ところがコイツは動くんですよ。1/8秒とか切ってられませんってば!!!
いくら手ぶれ補正があっても1.3秒は無理でした。
公称4段分の手ぶれ補正効果ということなので1/12秒相当ですね。あーん、さすがに厳しい。
ISO1250。地面にライトを照らしています。で、これが回るわけだ。
- そもそも暗すぎて手持ちが厳しい。
- 暗いところで動き回る被写体はISO爆上げ以外の対処無し。
- 輝度差が極端に大きい被写体は、GR IIIxのセンサーは白トビしやすい(苦手)らしい。
動きものを撮りたい時は、最初からGR IIIxはあきらめるのが良さそうです。
輝度差が高い被写体は暗い場合に限りませんが、なるべく露出補正をかけてたくさん撮っておくのが吉ですね。三脚で固定すれば、Photoshopの「HDR(画像合成によるHD画像生成)」という奥の手もあります。
ところでGR III・IIIxともに2023年1月11日から約8%値上げするらしいですね。これだけ長期に販売している商品の値上げは珍しいかも?
この記事は2022/12/23に公開され、898 views読まれました。
私は中古のlllとlllxを11ヶ月使って売却しました。理由は可動部分が不調になってきたこと。EOSRP+RF28mmの方が携帯性以外すべてに勝ったこと。CAMERA RAWのノイズ除去システムにも対応してくれないRAWデータだったのも理由です。それと買取価格が購入価格と同じであったこと。これはタマ不足による恩恵でした。
おっしゃること、とても同感です。
私もいつも「できた写真の質はフルサイズに敵わない」と「持ち運び便利!」の狭間で悩んで持ち出しています。
撮影が主目的の時は迷わずEOSなのですが、遊びに行く・飯を食いに行く・旅行となるとついついGRです。
キヤノンのAPS-Cセンサーがもう少し高画質であれば、今は無きEOS M/EOS R10に小さなレンズにしてしまうんですけどね。