α7でオールドレンズをAF化するマウントアダプターTECHART LM-EA7レビュー。
2020年02月29日
かねてから気になっていた「α7でオールドレンズをAF化するマウントアダプター」TECHART LM-EA7を試用する機会をいただきました。提供いただいたのは焦点工房さんです。まずはお礼を申し上げます。
最初にこのマウントアダプターをご存じない方のために、商品紹介を。
TECHART LM-EA7
- α7シリーズ用のマウントアダプターです。
- ライカMマウント→ソニーEマウント。
- マウントアダプターにヘリコイドとモーターが内蔵され、α7からの信号で制御されてオートフォーカスが可能です。
- ライカMマウントに接続するマウントアダプターを使うことで、M42・キヤノンFD・ニコンF等のオールドレンズも使えます。
- 使えるレンズは(併用するマウントアダプターを含めて)重量500gまでとされています。
- 準広角から中望遠までの「標準域」のレンズなら、ほとんどのオールドレンズをAF化できます。
- 開発はTECHART、国内総代理店は焦点工房。
- この機能は試していませんが、iOS/Android端末とBluetooth接続することでファームウェアのアップデートが可能。将来的にAF動作の改善等が期待できますね。
取り付け・設定。
立派なケースに入っています。前後にはフロントキャップ・リアキャップとも装着されています。さすがは4万円近くもするだけありますね。
通常のEマウントレンズと同様に取り付けます。
内蔵モーターのために下部が出っ張っています。
平置きするとレンズが斜め上を向きます。
ここでα7側の設定です。
Mマウントレンズ「超・超広角12mm、Voigtländer Ultra Wide-Heliar 12mm Aspherical II」を取り付けました。うちにはMマウントレンズはこれだけです。
- 「レンズ無しレリーズ」を可にします。
- 「AFモード」を位相差AFにします。
- レンズは無限遠にセットしておきます。
- 露出ステップを1/3段ごとにします。
- 手振れ補正をマニュアルで設定します。
実にシンプルですね。
他のマウントのレンズを付ける。
「マウントアダプターの二段重ね」をします。まずはヤシカコンタックスマウントアダプターでヤシコンZeiss Planar 1.4/50 T*を取り付けてみます。
小型中望遠ぐらいの印象です。
大好きなオールドレンズMeyer-Optik Domiplan 2.8/50を取り付けてみました。違和感はまるで無し。
実写。
さすが、ライセンス契約すれば仕様が公開されるEマウント。瞳AFもコンティニュアスAFもスムーズに動作しました。
ヤシコンZeiss Planar 1.4/50 T*。
F1.4開放の薄いピントでも、瞳に合焦します。
このレンズは開放だとボヤーっとしていて黒が締まらず、EVFを拡大表示してもなかなかピントが合わせづらかったのです。しかしLM-EA7を使えば楽々です。
Meyer-Optik Domiplan 2.8/50
残念ながら唇に合焦しています。コンティニュアスAF対応といっても、AF速度が速いわけではないので、モデルにはゆっくり動いてもらわないとダメですね。
トリプレットタイプ(三枚玉)で、とにかくオールドレンズらしい写りをするレンズです。解像しないしボケは荒れるし。
しかし肌が実にきれいに写るので、ポートレイトで使うと楽しいレンズです。このレンズは実に面白いのでもう少々作例を。
静物は、ちゃんと狙ったところにピントが合います。しかし暴れん坊名レンズで楽しいわ。
Voigtländer Ultra Wide-Heliar 12mm Aspherical II
開放F5.6と暗いせいか、超広角ゆえか?どう頑張っても右後ろの白い住居にピントがいってしまいます。
そもそもF8ぐらいまで絞って1mぐらいにフォーカス設定すれば、パンフォーカスになってしまうレンズなので、LM-EA7を使う意味はないかもしれません。
向きを変えてもダメ。
マニュアルフォーカスした写真はこちら。
使用感。
- 出っ張りは全く気になりませんでした。
- オートフォーカス速度は、動きのゆっくりした物ならばOKという感じ。激しく動くモデル(いつも作例で掲載するダンサーとか)にはついて行けません。そもそもそういうのはオールドレンズで撮っちゃダメです(^_^;
- α7のカメラ側絞り値設定をF25にしてシャッターを切ると、EXiFに50mmを設定できます。「コレ、手振れ補正設定オートに対応しないの?」という疑問が生じ質問したところ、「EXiFのみの対応です」との返答がありました。うーん、手振れ補正が効いているかいないか、テスト方法が考えつかずです。
- LM-EA7の内蔵ヘリコイドは4.5mmです。レンズの焦点距離に関わらず一定なので、広角レンズは近寄れます。逆に望遠レンズはレンズ本来の最短撮影距離より遠くなってしまいます。
- 近づいて撮りたい時は、レンズのフォーカスリングを回して調整します。字面は面倒くさそうですが「そういうものだ」と思っていれば自然と手が動きます。オムライスの写真はそのようにして近接しました。
4万円少々、でもお勧め。
「惚れたオールドレンズ」があれば、ぜひお勧めです。私の場合、ヤシコンZeiss Planar 1.4/50 T*を見直しました。
掴みにくいピントの山を、LM-EA7が肉眼に代わって合焦してくれます。古いPlanarの優しく繊細な表現を、正確な瞳AFで気軽に使えます。
対して、完全な静物撮影や超広角レンズがメインの方にはどうでしょう??「老眼だけどオールドレンズ使いたい!」という人には良いかもしれませんね。
レンズ交換をしたい場合は、ライカMマウントリアレンズキャップで揃えておくと便利です。
最後に、同梱されていたマニュアルを掲載しておきます。
この記事は2020/02/29に公開され、333 views読まれました。