RICOH GR IIIレビュー。ファームウェア1.50で顔/瞳検出AFが装備されたので、お気軽ポートレイトにチャレンジ。
2021年12月19日
2019年3月発売のRICOH GR III、寿命が短いコンデジとして珍しくバリバリ現役ですね。最近は(フルサイズ換算)40mmの兄弟機RICOH GR IIIxも発売され、それをきっかけにさらに見直されているようです。
気づけば私もバッグの中には必ずGR IIIを忍ばせています。
そのGR IIIのファームウェアがバージョン1.50になり、GR IIIxと同じ「顔/瞳検出AF」が搭載されました。
https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/support/download/digital/gr3_s.html
RICOH GR IIIの良いところ。
- スタイリング。フィルムカメラのGR時代(残念ながら私は使っていません)から変わらない基本デザイン。至極シンプルで操作ミスが起きにくい形状です。
- 至極素直なGRレンズ。実焦点距離18.3mm明るさF2.8。十分な解像感があります。
- ハマれば抜群の発色のAPS-Cセンサー。扱いやすい2400万画素です。明るいところではとても納得のいく色が出ます。
- タッチパネルでスッと決まるAF。
- 手ぶれ補正搭載でますます使いやすく。ぽちろぐとしてはベタボメしたいポイントです。
- 操作レスポンスの良さ。電源オンで一瞬で撮影に入れます。レンズが沈胴式なので、実際に触るまでは「固定レンズなら良いのに」と思っていましたが杞憂でした。
- EOSと似た垂直のメイン電子ダイヤル。慣れの問題ですが、EOSとの併用でも混乱しません。
- 動画も撮れる。
- ホットシュー付き。
- SDカードのフォーマットが早い。
- 一番好きなのが、見やすくてコンパクトな水準器。画面下に極くシンプルな水準器が表示されます。フレーミングの際に全く邪魔になりません。GR IIIから離れられなくなった大きな要因の一つです。※EOSも6D Mark IIは画面上方にコンパクトな水準器が表示されて使いやすかったのに。今は画面中央を大きく占めるものしか表示できません。スナップでも水準器って欲しいんですよ!!!
「最強スナップシューター」の名に恥じないパッケージだと思います。
RICOH GR IIIの「ちょっと、、」なところ。
- バッテリーの保ちが悪い。常に予備を1つは持っていないと不安です。先日はセッションで3時間の間に360枚ほど撮りましたが、最後は赤いバッテリー表示との闘いでした。
- 暗所で好感度で撮影すると、とても色が悪い。
- 似合うストラップが見つからない。ポケットに入れておくのが基本なのでストラップは不要なのですが、首からぶら下げたい時もあるのです。ところがポケットに入れる時はストラップは邪魔。うーん??
- アルカスイス互換シューを付けるとバッテリー室の蓋と干渉する。
- リモコンアプリ(Image Sync)の使い勝手がイマイチ。反応が悪いこともしばしば。
- ストロボメーカーがペンタックス/リコー用を用意していないことがある。具体的にはGODOX V350のペンタックスモデルが無い。GODOX V1はありますが、取り寄せのところ多々。くそーーー。
- レンズ根元のリングがしっかり固定されない。これは設計ミスとしか思えず。ちゃんとロックされません。私はパーマセルテープで固定しました。
バッテリーの保ちとリング以外は難癖みたいなものです。逆に、この2つだけはなんとかして欲しいなあ。
いつものお散歩コースで、犬連れで撮影してみた。
そもそも35mmや50mm程度で撮るポートレイトが大好きです(盛大な前振り)。背景ボケボケのきれいな写真ももちろん良いのですが、自分で撮るのは「話しながら動きのある女の子」です。28mmだとかなりデフォルメされるのと、仕上がりで女の子が遠くにいる感じにならないかが心配です。
全てF2.8で撮影しました。
AFフレームを見ていると、ほとんどアヤの顔を捉まえています。目に行くのは極くアップの時ぐらいです。もしかすると眼鏡のせいかもしれません。しかしフルサイズ換算28mm実焦点距離18.3mmの被写界深度では、瞳認識でも顔認識でも大差なさそうです。
いきなり結論。撮ってて楽しいです!!!
- まず、女の子が緊張しないのが良い。
- 想定していた以上にボケは期待できませんが、そもそも「きれいな所に女の子を連れ出して、盛り上げて、良い気分で、チャッチャと撮る」という使い方しか想像できません。背景なんぞはある程度分かって良いロケーションで撮るべきです。
- 購入以来初めて連写してみました。AFは最初の一枚で固定されるようです(仕様)。オートエリアではコンティニュアスAFに設定できません。バッファも大きくないようで、数枚で連写は止まります。連写せずに何回もシャッターを押す方が歩留まりが上がりそうです。
- このように明るい場所では、なんとなくしかモニタは見えません。全体のフレーミングだけおぼろげに確認して、あとは勘で撮るスタイルです。
- それでも水準器は水平近くなると緑になるので、多少見えて役に立ちます。偉いぞ!シンプル水準器。
- レフ板もストロボも使っていないので、顔の陰影はきついです。GR IIIのセンサーはそれほどダイナミックレンジが広くないようで、かんたんに白飛び黒つぶれします。RAWで撮ってLightroomでなるべく救済するか、JPEG任せにするか?いっそモノクロで使うか?
撮られ慣れているアヤですが、一眼の大きなカメラで撮る時と明らかに表情が違います。これがGR IIIの良さだなー。
「もう半歩離れたい」。
モデルと話しやすい距離で撮るのが私の撮影スタイルですが、フルサイズ換算28mmはいかにしても近い!
となると気になるのがフルサイズ換算40mm F2.8のRICOH GR IIIxです。40mmレンズは使い慣れているし。
- ちょうど良い距離が保てそう。
- 背景ももう少しボケるだろうし。
- 2年以上経っているので、もしかするとさらにレスポンスが上がっているかも?!
EOS R3はいつになったら入手できるか分からないし。
おまけ。
久しぶりにローライ35にフィルムを入れて撮ってきました。現像にしばらく時間がかかるので、後日掲載します。
この記事は2021/12/19に公開され、162 views読まれました。