高級コンパクトの元祖フィルムカメラ・ローライ35レビュー。
2021年12月24日
「RICOH GR IIIはポートレイト撮影に使えるか?!」(タイトル違う)で予告した通り、同時にローライ35でも撮ってきました。
ローライ35と言えばローライフレックスで有名なローライ社が1967年に出した高級コンパクトフィルムカメラです。デザインは今見ても秀逸。「バウハウスの流れを汲む」という説明をよく見ますが、「デザインは機能のために(意訳)」をポリシーとして芸術と産業の融合を掲げたバウハウスの思想をよく受け継いでいると思います。
しかし徹底的に贅肉をそぎ落とされたボディは、フィルムを装填するのも一手間です。
- 背面カバーを丸ごと取り外し。
- カメラに向かって右側に、通常の一眼レフとは逆向きにフィルムをセット。
- フィルム押え板を開き。
- フィルムのパーフォレーション(穴)がうまくスプロケットに入っていることを確認して巻き上げ。
- フィルムのフチをひっかけないように注意して背面カバーを装着してロック。
- カウンターが1になるまで空撮り。
現在のデジカメはもちろん、一般的なフィルムコンパクトとも違う点を挙げると
- レンズは沈胴式。単焦点の40mm。明るさはバージョンによって異なります。
- ピントは目測(マニュアルフォーカスですらなく、勘で距離をレンズにセット)。
- 最短撮影距離は0.9m。
- 露出計は無いので、単体露出計を使うか勘で露出をセット。今はスマホアプリの露出計が使えます。
- フィルム巻き上げレバーはボディ左。
- ボディ前面の2つのダイヤルは絞りとシャッタースピード。
- もちろん電池は不要。
RICOH GR IIIよりコンパクトですが重いです。
コダックのASA200(間違い・ISO200)カラーネガフィルムで撮影、サンワサプライの「フィルムスキャナーPRO(400-SCN024)」でスキャン、Lightroomで調整してみました。
カラーネガフィルムは、現像するとこんな感じです。ベースが濃いオレンジ色で、色は補色で記録されています。
カメラのキタムラでは「フィルム現像のみ」を依頼するとINDEX PRINTが付いてきます。昔の「コンタクトプリント」ですが、違うのはサイズ。フィルムのパーフォレーションも写っていないし、番号が振ってあります。デジタル処理されてプリンタでプリントされているんだろうけど、情緒は無いなあ。
ちなみにこのINDEX PRINTの色味はLightroomで調整する際の目安になります。
練馬の風景と合わせて、アヤが昭和の子どもになっちゃった(^_^;
同時にRICOH GR IIIで撮った写真はこちら。
目測なので「瞳にピントを合わせて背景をボカして」とかいう撮り方は無理です。なるべく絞って被写界深度を稼ぐしかないでしょう。不便です!
しかし、たまーーーーーにフィルムを入れてやりたくなる魅力があります。またモデルに持ってもらう小道具としても秀逸です。ちょっと重いですが邪魔にならないサイズなので、バッグの中によく入れています。
いつのまにかフィルムスキャナーが高性能化していて、カラーネガをスキャンするくらいなら過剰とも言える性能になりましたね。これが1万円前後で買えるなんてすごいなあ。
この記事は2021/12/24に公開され、90 views読まれました。