EOS Rでオールドレンズを使ってみるレビュー。
2018年10月30日
ショートバックフォーカス&大口径で高画質!接点も12点に増えて高速通信!EOS Rは高性能RFレンズでバリバリ使おう!
と言われてもせっかくのミラーレス、オールドレンズを使ってみたいじゃないですか(^_^ オールドレンズの母艦として、EOS Rは果たして如何に?
焦点工房からライカMマウント用、KIPONからM42用をはじめ数種類のマウントアダプターが発売され、いずれも5,930円程度で購入できます。もっとすぐに潤沢に出るかと思いましたが、案外と入荷待ち・品切れです。そもそもK&F Conceptは未だに沈黙しているし・・。
オールドレンズ遊びに欠かせないマウントアダプタの購入は、K&F Conceptの公式ショップがお得です。
焦点工房ライカM→RFマウントアダプター+Voigtländer Ultra Wide-Heliar 12mm Aspherical II
仕事・・というかライブ後の集合写真で大活躍のVoigtländer Ultra Wide-Heliar 12mm Aspherical IIを、やっとEOSで使えます。これまではこのレンズのためだけにα7RIIIを持ち出していました。
この個体特有なのか、ちょっとガタツキがあります。
被写界深度が深すぎて、EOS Rの表示拡大機能でも、ピントが合っているのやらないのやら?
いっそF8程度まで絞ってパンフォーカスにし、このレンズ一本でスナップとかも楽しいです。
KIPON M42-EOS Rマウントアダプター+INDUSTAR 61L/Z-MC 50mm/F2.8
いやはや美しい!欲しい鏡筒のレンズってかっこいいですね!
写りも良いのに、それでいてオールドレンズらしさもあり。近接撮影能力が高く「ダビデの星」という飛び道具もある。50mmという表記なのに実質55mm程度なのが玉に瑕?
価格も安く1万円程度、2万円も出せばかなり良い程度の物が手に入ります。
オールドレンズ入門に絶対に勧められるレンズです。
M42マウントは本当に安くて楽しいレンズが多いので、ハマること間違いなしです。
KIPONのマウントアダプターデザインもかっこいいです。大口径RFマウントからレンズに向かって絞っているのがいいですね。
ところで、初期状態ではフォーカス指標が真下に来てしまいました!細い六角レンチで調整できるのですが・・商品としてどうよ?
おまけ:EF-EOS Rマウントアダプター+Milvus 2/50M
描写は最高!の現行ツァイスMilvus 2/50Mです。純正のEF-Rマウントアダプターでバッチリ動きます。マニュアルフォーカスですもの、当然ですね。
ところで電子接点付きEFマウントレンズを使うと、EOS Rの動作がオールドレンズ装着時とは全く違います。
- フォーカスガイドが使えます。
- RF・EFレンズをMFモードにした時と同様の動作をします。
- 拡大表示機能を割り当てたAF ONボタンが、なぜか動作しません(検証中)。
- カスタム設定(C1)を煮詰める必要がありそうです。
- いっそC2に分けた方が良さそうです。
設定
レンズなしレリーズ「オン」
まずはコレを設定しないと、オールドレンズを付けてもシャッターが切れません。電子接点が無いため、ボディが「レンズがあること」を認識できないからです。
EVF拡大表示
フォーカスガイド機能がなかなか良いのですが、これはRFまたはEFレンズをマニュアルフォーカスで使う時にしか使えません(T_T 「おっ、なかなか良いインターフェース!」と思っただけに残念です。
EVF拡大表示機能はオールドレンズ装着時に頻繁に使いますので、なるべく良いところに設定したいものです。
お勧めは「AF ON」または「マルチファンクションバー右タップ」です。
それぞれにメリットとデメリットがあります。
- AF ON:最も操作しやすく反応も良い。しかし本来のAFスタートボタンとして使用できなくなる。また誤って押すとシャッターが切れなくなる。
- マルチファンクションバー右タップ:軽く親指を伸ばせば届く位置。誤操作の心配も少なく、他の機能との競合も無い。しかし反応が悪いように感じる。
私はAFスタートを使わないので、AF ONボタンに各代表直納を割り当ててみました。誤操作の件も慣れが解消するかしら?しばらく試してみます。
下記「弱点」を参照:マルチファンクションバーにステップ拡大表示を割り当てると、5倍・10倍拡大ができます。しかし親指がつるなあ。
AFエリアを「顔優先」以外に
AFエリアが顔優先の時はEVF拡大表示機能が使えません。また水準器も表示できません。これもEOS Kiss Mと同じ。何でも良いので別のAFエリアにしておきます。
何の縛りだろう、これ?
カスタム設定(C1)
オールドレンズを使う時にいちいちAFエリアを切り替えるより、カスタムモードに設定してしまった方が楽です。
RF・EFレンズ使用時は顔優先AFで瞳AFもバリバリと使い、オールドレンズ使用時はカスタムモード(例えばC1)に切り替えてしまうのが楽と思われます。
画質というか作例
すべてINDUSTAR 61L/Z-MC 50mm/F2.8です。
キリキリと眼が痛いような高解像度ではなく。色味も鮮やかでありながらくすんでいて。
飛び道具「ダビデの星」。
ちょっと甘めの色ノリ。
イケナイことだけど、ちょっと好きな落書き。
この骨太な描写、好きです。ボケが意外と穏やかなんですよね。
どピーカンでも、少々鈍味のある色合いです。
欲張りすぎた(^_^; 背景の街頭は入らないですねwww
落書きじゃなくて工事の指示??最近、赤・青・黄で描かれているのがあって、お気に入りです。
金属の質感描写。
遠景も問題無し。オールドレンズらしさも無し(^_^;
ポートレートも良いですが、街撮りが楽しいレンズです。
次はZeiss JENA Flektogon 35mm F2.4で試写してみます。
追記:Meyer-Optik Gorlitz Domiplan 50mm f2.8
三枚玉・トリプレットタイプのDomiplanです。新型はたいそうな高値で販売されていますね。
にじみ・歪みが猛烈で、しかしポートレートに使った時の肌の描写と立体感が大好きなレンズです。
この周辺画質のひどさと言ったら(^_^;
後ボケが盛大に流れます。
ひたすら柔らかいです。
人物に超!向いているのですが、手持ち撮影が厳しいほど操作性が悪いです。
マニュアルフォーカスとは思えないほど細いフォーカスリングと、異様に近接した絞りリング。幸い絞りリングにはクリック感があるので判別できますが「回してから分かるのでは遅いんじゃボケッ!」と言いたくなります。
でも、いいんですよ、このレンズ(^_^;
1万円以下、うまくすると5000円台で買える上に、オールドレンズらしさバリバリです。「いかにもオールド!」なレンズが欲しければお勧めです。
オールドレンズらしさが炸裂する、安価なDomiplanがオススメ。
追記:Industar 50-2 3.5/50
Tessarタイプでシャープ、なはずですが、アレえ?
金属系の質感描写良し、色ノリはあまり良くない。
背景はグルグルボケの気があります。それより気になる(面白い)のは、ボケがベタッと潰れることですね。しかし悪い感じはしません。これはこれでアリかなあ?と思います。
絞りリングが前面にあるタイプなので、操作性は最悪です。「今日の絞り値はコレ!」と決めてかかって使うと良いでしょう。それでもリングが軽すぎて勝手に動いていることがありますが(^_^;
【画像追加】オールドレンズの銘玉ヤシコンTessar 2.8/45 T*をウン万円で入手するなら、Industar 50-2の新古品を4000円で。
追記:Zeiss JENA Flektogon 35mm F2.4
描写が繊細でIndustarとはひと味違います。
弱点
ボディ内手振れ補正が無い
発売前は「EOS Rはα7に対して周回遅れのくせにボディ内手振れ補正を搭載していないから時代遅れ」とか言われていましたが、いざ使ってみるとレンズ無い手振れ補正の精度も大幅にアップし、実にシャープに撮れます。しかしこれは「ISレンズ」を使った時だけなのは当然で。
オールドレンズに手振れ補正なんてついていやあしませんて!
EF300mm F2.8L IS USM(1999年発売)をオールドレンズと呼べるなら、オールドレンズにも光学式手振れ補正レンズはありますが(^_^;
オールドレンズはそれほど極端な望遠を使うことも無いと思いますので、そこは気合いで乗り切りましょうw
シャッター半押しで拡大表示から復帰しない
これ、けっこうストレスです。EOS Kiss Mもそうでした。EOS Rでは改善されてるかなー?と思っていたのですが。ピントを合わせたら無理をして伸ばした親指を戻し、しっかりグリップして撮りたいじゃないですか!
ちなみにシャッターを切ると復帰します。
拡大表示倍率が低い
5倍/10倍に拡大可能とスペック表にありますが、オールドレンズ使用時は1段階にしか拡大されません。メニューにも選択肢が見つかりません。ちょっと拡大率が低く感じるので5倍かしら?
※追記:マルチファンクションバーに[段階]拡大表示を割り当てると、5倍・10倍に拡大できます。他のボタンに割り当てた場合は5倍ですね。
1回押し5倍、2回押し10倍、もう一度押すと復帰、シャッターボタン半押しでも復帰だとうれしいのですが。
まとめ
今のところオールドレンズメインで使いたいならα7シリーズの方が良いですね。
- ボディ内手振れ補正で、オールドレンズでも手振れ補正が効く。
- サイズ感がオールドレンズと合う。
- EVF拡大表示動作がEOS Rに比べて素直。
- マウントアダプターが豊富。無いものは無い!
でもね、「EOS Rに慣れる」という選択肢もあるわけで(^_^;
ところで、露出関係の動作が不安定、レンズ関係ないですが。・・ファームアップで改善するかなあ?
- 露出補正が変更できなくなる。
- 拡大表示機能が動作しないことがある。
- 露出が安定しない。
この記事は2018/10/30に公開され、748 views読まれました。
こんにちは。
私は、現在、PENTAX K-3とFUJI X-T1 をメインにオールドレンズライフを楽しんでおりますが、流石にカメラが古くなってきまして、新しいものを・・・と、物色しておりまして、サーフィンしなから辿り着いた者です。
オールドレンズは、御指摘のとおり、「拡大表示」がキモだと思っておりまして、そういった意味では、EOS-R の不具合さがしっかりと伝わってきましたし、最高だったのは、α7の「無いものは無い!」との御指摘には、思わず、ニヤリとしてしまいました。
あとは、私の性根には合いませんが、LUMIX の20倍拡大ですかね。
MFT は、キライなんです。
今後とも、参考にさせていただこうと思っています。
御活躍を祈念しております。
ありがとうございます(^_^
読み返してみると誤植がww
オールドレンズには、やはりフルサイズ良いですね。
この記事の後、使い込んでいくとEOS Rでのオールドレンズ撮影にもだいぶ慣れました。ゴチャゴチャ言うより慣れろですねえ。
記事とは別の話ですが、EOS RPの方が操作に慣れやすいと思いますよ(^_^
私はEOSRにNFD50/1.4をつけて楽しんでいます。クロップすれば80mm/1.4に早変わり。
ピントはピーキングを使って合わせています。
NFD50/1.4は良いですねー。
以前はα7(初代)に付けて「こんなに優しい写りだったか!」と感激しました。もちろん今はEOS R5に付けていますよ(^_^
開放では甘過ぎ、絞ってしまうとつまらないので、F2〜2.8ぐらいが特に好きです。
最初に買ったF-1(改)のキットレンズがFD50mm F1.4 S.S.C.でした。以来のキヤノン党です。